三雲ブランドのスポーツモデルとして1996年にデビューしたオーバーシーズ。
1970年代に登場したノーチラスやロイヤルオークよりカジュアル感が強いスポーツモデルとして、コンビモデルが存在しないという特徴があります。
これは、同じく90年代後半にデビューしたアクアノートでも同様で、ステンレスか金無垢のみのラインナップとなっています。
そんなオーバーシーズは、三雲スポーツとして、かつてはスポーツロレックス(デイトナを除く)より高く売られていた存在。
とはいえ、その頃の相場はロレックスにプラスアルファして買えるという水準で、30万円台半ばが主な価格帯だったロレックスに対して40万円台後半で購入可能だったのです。
そのため、三雲時計の入門モデルという印象にもなるのがオーバーシーズです。
そして近年では、かつて安かったスポーツロレックスより安いというのがごく当たり前な相場となりつつあるオーバーシーズ。2010年頃には30万円台という額まで下落したオーバーシーズですが、その頃ロレックスはもっと安かったため、ロレックスと相場が逆転しはじめたのは2013年以降のことなのです。
なお、オーバーシーズには、ミディアムとラージサイズがあり、それぞれに機械式とクオーツモデルが存在。
最も高いのは『ラージ+機械式』で、逆に安いのが『ミディアム+クオーツ』です。
そして、2013年以降において『ミディアム+機械式のモデル』は、40万円台という相場が一般的だったのです。
しかしそれが、最近値上がり傾向となり、2017年現在では50万円台半ばという水準まで上昇しています。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2013年5月 の安値(ヤフオク) |
2017年9月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ヴァシュロンコンスタンタン
オーバーシーズ ミディアムサイズ グレー文字盤 42050/423A |
中古 | 4年 4ヶ月 |
¥448,000 | ¥568,000 | 120,000 | 126.79% |
現在50万円台半ばというと、5桁リファレンスのサブマリーナなどと同じ相場です。
ですから、一時はロレックスより安くなったものの、今ではロレックスと同じ水準にまで相場が達しているのです。
ちなみに、ラージは現在80万円近い相場であり、さらに高い状況です。
これまでラージとミディアムの価格差は5万円程度というようなイメージだったのが、近頃は20万円レベルの価格差がある傾向なっています。
なにかと値上がり傾向なオーバーシーズですが、三雲ブランドのスポーツモデルというくくりではまだ安いと言えるかもしれません。
実際、5桁時代のロレックスと三雲時計であるオーバーシーズの機械式モデルを比べて「どちらにしようか」と迷うことができるのは、第一次腕時計ブームの時では考えられない、贅沢な現象です。