ありとあらゆる実用性を考慮して、コンプリケーションモデルを長らくラインナップしてこなかったロレックスオイスター。
唯一デイトナのクロノグラフ機構は、パテックフィリップではコンプリケーションとなる仕掛けですが、バルジュー7750などクロノグラフ専用ムーブメントの開発は意外とポピュラーなものです。そのため、クロノグラフは3針並に一般的な存在ともいえるため、コンプリケーション扱いされない傾向があります。
そんなロレックスに転機が起こったのは2007年のこと。
通常のクロノグラフではなく、レガッタクロノグラフというコンプリケーションとみなされる機構を搭載したモデル、ヨットマスター2が登場したのです。
ヨットマスター2は44mmというロレックス最大サイズという点も驚く要素でありますが、最高級モデルであるがゆえにその価格の高さにも大きな存在感がありました。
デビュー当初は金無垢しかないというのはヨットマスター(1)と同様ですが、それら3針モデルと比較して、だいぶ価格が高かったのです。
今でもそれは同様で、ヨットマスターの金無垢モデル16628に対して、2の中古相場は300万円以上という水準。
そして、ヨットマスター2はこれだけ高価格帯に位置する存在であるにもかかわらず、約1年という間に30万円以上の値上がりを果たしているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年11月 の安値(楽天) |
2017年10月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ヨットマスター2 116689 |
中古 | 0年 11ヶ月 |
¥2,700,000 | ¥3,039,600 | 339,600 | 112.58% |
2017年には数多くのロレックスが値上がりしましたが、それらはステンレスモデルが中心という印象があります。
また、金無垢モデルでも値上がりしているモノはありますが、それらの値上がり前の価格帯は100万円台というイメージがあります。
それに対して、ヨットマスター2は安かった2016年11月の段階でも270万円という価格。
そのような価格帯だと、買える人が少なくなってくるため、値上がりしなさそうだと判断する人もいるでしょうが、実はこの116689のようにきっちり値上がりするモデルもあるのです。
現在の300万円以上という相場は、まさにヨットマスター2の金無垢モデルにふさわしい価格だと感じます。
しかし、他の時計を見てみると、デイトナ116509のメテオライト文字盤や、パテックフィリップアクアノートの5064Aなどという存在があり、それらはこのヨットマスター2より現在高い相場に位置します。
過去相場やキャラクターを考慮するとヨットマスター2はそれら2点より高くても不思議ではありませんが、実は現状安い存在なのです。
そのため、値上がり状態ですが、300万円という予算では意外にお得な時計であるという見方ができるのはこの時計の面白いところだと思います。