1999年のデビュー時より長らくデイトナとともに“高いモデル”という印象だったヨットマスターロレジウム。
かつてロレジウムとデイトナは、新品でも中古でも他のステンレスロレックスと比べて飛び抜けて高い存在でした。
ロレジウムという存在は金無垢モデルより安いものの、YGコンビよりも高かったのです。
例えば、2000年代前半だとスポーツロレックスの中心価格帯(新品実勢価格)は30万円台が中心でしたが、ロレジウムは80万円台、デイトナは100万円以上という相場。
また、ブレスレットの中央部分が鏡面となっているステンレススポーツは、今でこそミルガウスやGMTマスター2などがあるため珍しい存在ではなくなりました。けれども、2007年までその仕様はデイトナとロレジウムにしか存在せず、「明らかに違う」という印象を与えていたのです。
高かったロレジウムですが、2008年のリーマンショック後にロレックス全体が値下がりした際、中古相場は40万円台という過去最安記録を更新。
けれどもその際、他のロレックスも値下がりしていたため、ロレジウムだけが特に安いという状況ではなかったのです。
しかし2013年以降、他のロレックスが大幅な値上がりをしたのに対し、ロレジウムの値上がりはそれに比べて弱いものでした。その結果、かつてロレジウムより安かった青サブや16713といったコンビのスポーツモデルと同等という水準に変化。
また、2016年夏ごろにロレジウムは60万円を切り、その頃からは完全にYGコンビより安いモデルとなったのです。
そして、その相場はなかなか回復することがなく、多くのスポーツモデルが短期間で値上がりした2017年においてもロレジウムは60万円程度という相場のまま。
それが最近、やっと60万円台後半という相場に回復しつつあるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年7月 の安値(楽天) |
2017年10月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ヨットマスター 16622 |
中古 | 1年 3ヶ月 |
¥583,200 | ¥678,240 | 95,040 | 116.30% |
ロレジウムの60万円台後半という相場は2015年8月とほぼ同様であるため、2016年の値下がり状態からやっと回復したという印象になります。
特にロレジウムにおいて興味深いのは、6桁モデルの116622が2017年春頃から急激に値上がりしているのに対し、元祖ロレジウムである16622の値動きが鈍かったという点。
特に、ロレジウムの代表的文字盤である『プラチナ文字盤』が廃止された2016年以降、その初代である16622が評価されていなかったというのは不思議な現象でもありました。
ですから、1年で10万円近い値上がりという現象は、ロレジウム16622にとっては、当たり前ともいえる現象なのです。
この相場は2015年8月頃までと同様ですが、当時において『プラチナ文字盤』は現行仕様。
今となっては『プラチナ文字盤』は生産終了状態であるため、16622にはさらに強い要素が加わったことになります。
そのため、値上がり傾向である今、16622は要注意だと感じます。