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現在相場考察

黒文字盤の事情、ロレックスデイトナ116500LN

2017年10月28日更新
ロレックスのデイトナ116500LNについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年10月の新品実勢価格(3社平均値)と2017年10月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年0ヶ月での変動は¥181,067だった。

デイトナ 黒文字盤 116500LNについての考察(2017年10月)

2016年3月にデビューした116500LN。この世代から明らかに変わったのは、実勢価格において白文字盤のほうが高くなったという点。

116500LNの定価は約128万円という水準で、定価は文字盤色によって変わるということもありません。もしも人気が無いのであれば、白文字盤のほうが高いというような実勢価格面での現象は、116500LNにとって関係の無いことになるはずです。

しかし、ステンレスデイトナというモノは長らく正規店にて定価で入手するというのは困難。よって、誰もが実勢価格を無視できないわけです。

そして、実勢価格には安い時期と高い時期が存在します。それは中古ではもちろん、新品でも存在する現象です。

つまり、腕時計の価格は安い時もあれば、高い時もあるのです。

この価格変動が起こるという点が最も面白い点であり、『高いと思って買っても結果的に値上がりし実は安い買い物だった』ということや、『不人気だった時計を買ったら高くなっていた』ということが起こりうるわけです。

後者は、まさしくGMTマスター216710に起きている現象で、10年前までGMTマスターという存在は最も人気のないロレックスでした。それが今となっては中古が75万円以上という水準であり、かつての新品実勢価格30万円台前半を大きく上回る価格で取引されています。

そしてそして先の『高いときに買っても結果的に値上がり』という現象こそ、今回のデイトナ116500LNに当てはまる点

かつての常識だと、新型モデルはデビューした直後が最も高く徐々に値下がりするというはずでした。実際、デイトナの前モデル116520(黒文字盤)はデビュー直後の新品実勢価格が最も高かったですし、ミルガウス116400GVなどでもそれは同様です。

しかし、この116500LNはデビュー直後の2016年10月の新品実勢価格より、今の中古価格のほうが18万円以上も高いのです。

しかもそれは、人気の高い白文字盤に対してだけでなく、黒文字盤でも同様のことが起きているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年10月
の新品実勢価格(3社平均値)
2017年10月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
デイトナ
黒文字盤
116500LN
新品 1年
0ヶ月
¥1,849,333 ¥2,030,400 181,067 109.79%

ちなみに2016年10月における白文字盤の新品価格(3社平均)は1,949,333円で、黒文字盤よりちょうど10万円高い水準でした。

なお、現在確認できる白文字盤の中古最安値は2,157,840円であるため、2016年10月と比較して208,507円高くなった計算になります。

そのため、2016年10月より116500LNどちらの文字盤も値上がり傾向であり、新品より中古が高くなるという状況が起きています。

黒文字盤も立派な値上がり時計であるのですが、現時点での値上がり額は白文字盤のほうが優勢です。

かつては黒文字盤が人気モデルの象徴的存在だったのが、今となっては実勢価格だけでなく、値上がり額においても白文字盤に勝てないのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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