カルティエのサントスといえば、最近は「サントス100」のイメージが強いですが、かつては「サントスガルベ」が代表的なイメージでした。
サントスガルベはロングセラーモデルですが、今では男性用が生産終了となり女性用だけの展開となっています。
男性用のサントスガルベについては、80年代などロレックスブーム以前の時代において、コンビモデルが流行っていたという印象。そのため、少し“古め”という要素を感じる時計でもあります。
実際、サントスガルベのコンビモデルは10万円台前半という水準で多数が売り出されています。多くのモノは程度の悪いモノなのですが、程度の良いモノでも10万円台前半で売り出されていることは珍しくありません。
しかし、10万円台で売られる個体がある一方、20万円台や30万円台のモノも存在。
では何が違うのかというと、搭載されているムーブメントとケースサイズです。
20万円台前半の個体が、LMの自動巻。そして、30万以上するモノは同じく自動巻でもXLという大きなサイズです。
通常、メンズサイズといえばLMサイズなのですが、サントスガルベにおいてはそれより更に大きなXLというモノが存在するのです。
LMサイズの場合、幅が29mmと小さく今の基準では男性用モデルとしてかなり小さいという事情が存在します。デザイン的にそこまで小さくは見えないのですが、29mmという数値は“小さい”と思わせるインパクトがあります。
一方このXLサイズは幅が約35mm。現在では35mmでも一般的なメンズサイズと比べて小さめですが、実物はその数値以上に大きく感じるインパクトだと思います。
このXLサイズが追加されたのは2006年頃なのですが、その頃といえば、パネライに影響され多くの時計が大きくなった時代。
その時代だからこそXLが追加されたというのはとても分かる出来事なのですが、デカアツ時代においても約35mmという点から、サントスガルベのデザインにおいては35mm程度でも数値以上に大きく感じるのだと思います。
そして、XLサイズは新しいという点や、大きいという特殊性から、サントスガルベとしてはかなり高い水準に位置しているのです。
長らくその相場は安くても30万円台後半という水準。
しかし、現在なんと30万円前半で売りに出ている個体が存在します。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年8月 の安値(楽天) |
2017年10月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
サントスガルベ XL W20098D6 |
中古 | 1年 2ヶ月 |
¥365,040 | ¥328,000 | -37,040 | 89.85% |
サントスガルベXLの個体数は少なく、相場も変化しない傾向でした。ですから、30万円台前半という価格は珍しく感じます。
ましてこの記事の個体は、程度が悪いということは当然なく、むしろとても程度が良い状態。
それでいて30万円前半なのですから、サントスガルベのXLに興味があったという方についてはとても良いニュースだと思います。
しかし、サントスガルベというと先のように10万円台で売られているイメージが強いため、XLサイズの事情を知らない場合、30万円でも高いと思ってしまうでしょう。
けれども、XLという存在は、先のように特別なサントスガルベであるのです。