カルティエというブランドはリシュモングループの一員で、同じグループ内にパネライも属しています。リシュモンは1997年にパネライを購入後ブランドをテコ入れしてヒットさせました。
そのヒットの要因こそ、その後多くの時計に影響を与えた「デカアツ」です。で、そのデカアツをデザイン的に上品に、サントスのイメージに合わせたのがコレ。というよりも、“サントスを近代的にするデザイン処理を施した”というほうが良い表現ですね。
車に例えると、94年に登場したアストンマーチンDB7が良い例です。DB7は60年代のアストンマーチンを90年代風に近代化したデザインが好評でした。それ以前の80年代アストンは当時、「下手に近代化しようとして失敗したバタ臭さ」というような評価。今でこそV8やヴィラージュ等はファンから評価が高いですが、それは共感覚を刺激しているということでサントスガルベへの評価に近いです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2013年1月 の最安値(ヤフオク) |
2016年3月 の参考価格(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
サントス100 LM W20073X8 |
中古 | 3年 2ヶ月 |
¥335,000 | ¥432,000 | 97,000 | 128.96% |
2004年以前のカルティエ主なラインナップ(ステンレス製)は、
・ヴァンテアンオートスカフ&クロノスカフ
・パシャC
・タンクフランセーズ
という感じでした。
パシャCとタンクフランセーズは96年頃デビュー、ヴァンテアンスカフ系は2000年にデビュー。
各主要ラインナップが“近代化”されていたのにもかかわらず、「サントス」だけは80年代の香りがして「カルチェ」と呼びたくなる時計でした。
そこで、「サントス100」としてリニューアルしたのがコレ。
100週年記念にちなんで100、というブランディングは「サントス」というを復活させたかったからでしょう。
それは同時にカルティエ自体が「サントス」という名前のイメージが良くない状況にあったということを認めていたということです。
このサントス100はある程度の成功をし、時計ファンの間で「欲しい1本」の1つとして認識されていたと思います。
その後サントス100のノリでパシャ38mmもパネライノウハウ詰め込んでリニューアルするのですが、そちらはサントスほどうまく行かなかった模様。
ファッションアイテムとしても人気のあるサントス100、時計相場が高くなり始めた2013年1月から約10万円の値上がり。
サントスが投資対象、と言われると「?」という方は多いでしょうが、サントス100はきちんと値上がりしている時計なのです。