サブマリーナのノンデイトという存在は、5桁時代において最も安く買えたスポーツロレックスでした。
ロレックスブームだった2000年頃、他のスポーツロレックスが30万円(税別)以上だったのに対し、14060は30万円を切る新品実勢価格という存在だったのです。
14060が、5桁時代のスポーツロレックスとしては唯一ノンクロノメーターだったという点からも、“安い存在”というのは特に違和感がない印象でした。
ただし、その頃14060は廉価なスポーツロレックスという印象ではなく、どちらかいうと玄人向けのモデルというイメージ。売られている姿を目にする機会もデイトの16610と比べると少なかった時計です。
14060M時代にクロノメーター化されてからは、新品実勢価格がエクスプローラー114270より高くなり、最安のスポロレではなくなりましたが、それでも下から2番目に安いポジション。2007年は全体的に時計が値上がりしており、16610の新品実勢価格は50万円以上という水準でも違和感がない時代。その頃において14060Mは30万円台後半という新品実勢価格だったのです。
そして2012年、ノンデイトのサブマリーナは6桁へとモデルチェンジし、その新品実勢価格は50万円以上という水準まで上昇したのです。
そのため、『かなり高くなった』という印象になるのは自然。
しかし、その後114060はきちんと値上がりし、デビューしたての新品実勢価格より数年後の中古相場のほうが高いという現象が起こりました。
そして今ではさらに値上がり状態。
114060の中古価格は、数ヶ月前まで60万円台という水準でしたが、今では70万円台半ばという相場まで上昇しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年3月 の安値(楽天) |
2017年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
サブマリーナ 114060 |
中古 | 0年 8ヶ月 |
¥685,800 | ¥748,000 | 62,200 | 109.07% |
サブマリーナノンデイトはとても魅力的な時計ですが、かつての常識を考慮すると70万円以上という相場は“ありえない”という印象です。
ただそれは、2012年に新品が50万円以上となった時でも、その後中古が60万円以上となったときでも“ありえない”という感覚は同様だと思います。
例えば、2012年に“ありえない”と思っても、そこから20万円程度も高くなっている今においては、2012年の価格が安いと感じます。
よって、その時常識だと思っていることは“正しい”かどうかは分からないというのが114060の事例からいえることなのです。