以前の記事でもお伝えしたように、近頃GMTマスターシリーズが値上がり傾向で、2017年5月まで60万円台だった『GMTマスター2』の16710は9月の時点で70万円台後半という相場になっています。
けれども、同じ時代に現行モデルとして売られていた「GMTマスター」のほうは、その頃そこまで高くはなっていなかったのです。唯一、16700の最終品番であるA番の個体が70万円以上という水準でしたが、それ以外の年式は60万円台で売られているという状況が続いていました。
そのため、GMTマスターシリーズはワンに対してツーのほうが結構高いという状況でした。
しかし今、9月とは違う様子になっているのです。
それは「GMTマスター」の16700が高くなってきており、16710とほぼ同水準にまで達しているということ。
最も安いのは黒ベゼルの個体ですが、現在78万円という水準に達しています。(現在16710は約83万円)
そして、青赤ベゼルとなるとさらに高く、80万円以上という相場。5月からの半年間で約13万円もの値上がりとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年5月 の安値(楽天) |
2017年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
GMTマスター 青赤ベゼル 16700 |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥699,840 | ¥829,800 | 129,960 | 118.57% |
GMTマスターは1956年にデビューしたシリーズですが、現在発売されているのは1983年に登場した「GMTマスター2」のほう。
他のシリーズだと『1』と『2』が両方共存在するのに対し、GMTマスターは『2』しか存在しないということに疑問を持った方も多いでしょう。
実際「GMTマスター」はA番が最終品番ですから、1999年でシリーズ終了となっています。
『1』が終了となった理由は、GMTマスターシリーズの場合、『1』と『2』の差が機能面に存在したからで、時針を単独で動かすことのできない『1』の存在意義がなくなってしまったからなのです。
しかし、時計好きとしては、文字盤に『II』という表記のない、オリジナルGMTマスターを求めたいという心理になっても不思議ではありません。
そのため16700には、
という人気要素が多々存在し、17610よりレアという評価になってもおかしくありません。
けれどもこれまで16710より高いどころか、10万円近くも安いという状況だったのです。
よって、今回の17600の値上がりは、16710など他の「GMTマスター2」の状況を見ると、ごく自然だと判断できます。
なお、現在同じ5桁リファレンス時代の「GMTマスター2」の16710は約83万円(黒赤ベゼル)となっており、16700より依然として高い状況であることに変わりありません。