2017年において上昇傾向が目立つGMTマスターシリーズ。
中でもはじめに値上がりの様子を見せたのは「GMTマスター2」の16710で、70万円台後半という相場となりました。
GMTマスター2には、黒ベゼル、黒赤ベゼル、赤青ベゼルという3つのベゼルがありますが、現在最も高いのが青赤ベゼルである一方、16710の最安値として確認できる個体は黒赤ベゼルです。
その状況は今だけでなく、1年前などでも変わらないため、黒赤ベゼルという存在は『安い』という印象ともなり、特別感を感じない存在でもあります。
しかしその黒赤ベゼルの中でも一味違うモデルが存在。
画面上でも紙面でもよく見る「GMTマスター2」の黒赤ベゼルと“何が違うのか”が分からないけれども、少し違うというモノがあるのです。
明らかに違う箇所は“16760”というリファレンスを見れば分かりますが、それ以外に特に違う点は画面を見るだけでは分かりづらいという存在でした。
しかし今、そんな16760に対してもう一つ“大きく違う”という点が出現。
去年まで16710などと特に異なる相場でなかった16760は、現在110万円以上という水準となっており、価格面で明らかに他のGMTマスターと違うということが分かるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年11月 の安値(楽天) |
2017年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
GMTマスター2 16760 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥692,000 | ¥1,119,000 | 427,000 | 161.71% |
この時計、1年で40万円以上の値上がりとなっています。
ちなみに最近130万円台の個体がありましたが、既に売れていました。
この16760という時計は「GMTマスター2」の初代モデルとして80年代に登場したモデル。
プラ風防の4桁デイトナが現行だった当時、“最新モデル”として定価も高い存在でした。
しかしデビュー後は、早い段階で16710にモデルチェンジされ、他の80年代ヴィンテージと同じく、短い生産年となっています。
見た目は近代的な5桁リファレンスであるのに、2000年前後のロレックスブーム時よりアンティーク扱いされていた80年代ヴィンテージのロレックス。当時からヴィンテージ感に欠ける分かりづらい存在として、そこまで人気とならなかった傾向がありますが、2017年になってついに「レア感」を感じる人が増えた模様です。
特にこの16760は「ファットレディ」という愛称あるように、“厚めのケース”という分かりやすい特徴があり、今回のように急激な人気状態となってもおかしくない側面があります。
このようなことは、シリーズ全体が強い人気を誇っているときに起こる傾向があり、2002年にパネライがブームとなった際も、90年代後半に造られたモデルが短期間で値上がりしたという現象が起こったことがあります。