パネライが流行り始めたのは2002年のことですが、時計ファン以外の人にも「パネライ」というブランドが知られたのは、それよりずっと後のことだと思います。
一般認知度が高まった時期は、パネライが自社製ムーブメントにシフトした時代だと予測できますが、その頃のパネライの様子は2000年代前半とは変化していました。
最も変化したのはラジオミールが高級モデルで無くなったこと。そして、それまで特にラジオミールに多くあった限定モデルも減っていたのです。
2002年頃までの限定モデルといえば、デッドストックムーブメントを搭載したモノなど特別感を感じさせるモノが多い印象でした。
また、デッドストックムーブメント以外でも、特徴あるムーブメントを搭載したモノが多々あり「コレクターズアイテム」と呼ばれるにふさわしい限定モデルが多々あったのです。
そんな限定モデルはラジオミールが脱高級化となった時代よりあまり販売されなくなり、それ以降のモノには2000年代前半のような濃いムーブメントを搭載したモノもごくわずかという状況となりました。
そして、このルミノールクロノPAM00189は2000年代前半に出た限定モデルが減りつつあった2004年に出たモノ。
ベースムーブメントはレマニア1872で、ホワイトゴールド製のケースが採用されています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2011年4月 の安値(ヤフオク) |
2017年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールクロノ PAM00189 |
中古 | 6年 7ヶ月 |
¥1,180,000 | ¥1,509,600 | 329,600 | 127.93% |
この時計の定価は約300万円ですが、2011年には中古が118万円という相場まで下落。
この頃は多くの時計が安かった時代ですが、特にブレスレットモデルなど40mmのルミノールは安くならないモノが目立っていました。
しかし、そのような時代においてWG+レマニア1872搭載の限定モデルは安くなっていたのです。
特にパネライの場合、ホワイトゴールドの採用が珍しく、手巻きのツーセコンドムーブメントと合わさって、良き時代の限定モデルらしい内容に仕上がっています。
よって、魅力的な内容だけに2011年から2017年にかけて値上がり状態となったのは自然だと感じます。
とはいえ現在の約150万円という価格はルミノールクロノAMGよりもまだ安い額。
AMGも魅力的な時計ですが、パネライとしてより希少なWGが採用されたこの限定モデルのほうが安いのです。
ちなみに、濃い内容のパネライ限定モデルは2002年頃までに多い傾向があるため、このPAM00189が出た2004年という時期は見逃しがちですが、このようになかなか良いモデルが存在するのです。