腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

更に安く、カラトラバ3796S

2017年11月17日更新
パテックフィリップのカラトラバについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年8月の安値(楽天)と2017年11月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年3ヶ月での変動は¥-218,000だった。

カラトラバ 3796Sについての考察(2017年11月)

今では世界的にパテックフィリップの人気があり、特にノーチラスの注目度が高い状況です。

しかし、日本でロレックスブームが起きていた2000年頃は状況が全く異なります。

その頃、パテックフィリップは今と変わらず「雲上時計」と認識されていましたが、多くの人にとって「雲上」という印象の通り、実際買う選択肢には上がってこない傾向でした。

3796といえば、現在「100万円以下で買えるパテックフィリップという存在であり、パテックとしてはかなり安く買える状況です。

現在100万円以下という価格で、GMTマスター2やサブマリーナの色付きベゼルモデルを買うのは難しく、現行ステンレスロレックスよりも安い存在となっています。

3796はかつてノーチラスよりも良いとされたモデルであるため、「3796を良い」と思っている人が本当に多いならば、今の相場はかなり「お得感が強い」ということになり、100万円以下で飛ぶように売れても不思議ではありません

しかし、3796は100万円以下で飛ぶように売れるということはなく、100万円以下でいつでも手に入るという状況です。

そんな3796ですが、100万円を大きく超えるというモノも存在。

それは、1996年に限定モデルとして登場した3796S

この時計、他の3796同様に手巻きムーブメントが搭載されていますが、裏スケ仕様。パテックフィリップの場合、手巻きモデルの裏スケ仕様はあまりなく、さらにはキャリバー215の裏スケ仕様は少ないかと思います。

そのため、3796の希少限定モデルとして長年評価されており、腕時計が全体的に安かった2009年でも150万円以上という水準だったのです。

そして、昨年2016年には2009年より約18万円安くなった状態となり、そこから約1年経った今では、なんとさらに20万円以上も安くなっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年8月
の安値(楽天)
2017年11月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
3796S
中古 1年
3ヶ月
¥1,398,000 ¥1,180,000 -218,000 84.41%

現在の118万円という価格は、3796の通常モデルと比べると高く感じますが、実は2009年と比較すると40万円も安くなっているのです。

2009年は全体的に腕時計が安い時期であり、ノーチラスの3800青文字盤は100万円以下でも買えた時代。

現在400万円以上する5711/1A150万円以下で購入可能な時代でした。

ノーチラスは2009年と比べて100万円単位の値上がりですし、他のパテックフィリップでも100万円単位の値上がりとなったモデルは多々存在します。

しかし、それら高くなったモデルとは逆に3796Sは40万円も安くなっているのです。

過去価格と比べて安くなっている3796S、多くのパテックフィリップが高くなっている中、逆に安くなっているため、3796のファンからするととても『お買い得』という印象になるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。