ノーチラスのコンプリケーションモデルには様々な仕様が存在し、“特にノーチラス好きだ”という人以外にはその全貌が把握しづらいほどの種類があるかもしれません。
しかし、2006年までノーチラスのコンプリケーションモデルは3712/1Aただ1つしか存在せず、その3712も2005年に出たばかりという状況でした。
2006年、ノーチラスにはもう2つ目の新たなコンプリケーションモデルが登場したのですが、それがパテックフィリップが自社開発したクロノグラフムーブメントを搭載した5980/1A。
かつてロレックスがクロノグラフムーブメントだけ他社製を使用していたように、この時までパテックフィリップもクロノグラフだけは他社ベースだったのです。
ですから、
ということは、5980/1Aが登場した2006年には大きな出来事だったのです。
そして、そのインパクトの強さは価格にも見出すことができ、ステンレス製である5980/1Aの定価は400万円以上という水準。
まさに雲の上という内容の時計でした。
とはいえこの時計、2016年7月の時点で既に中古が2010年の定価を上回るという優秀な値上がり状態。
ですから、400万円で買っても実は値上がりしたという凄い時計でもあるのです。
ちなみに2016年7月時点で定価以上の値上がりとなったのは2010年に登場した5980/1A-014。
そして、その-014は今どうなっているかというと、2016年よりさらに160万円も高くなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年7月 の安値(楽天) |
2017年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 5980/1A-014 |
中古 | 1年 5ヶ月 |
¥5,380,000 | ¥6,980,000 | 1,600,000 | 129.74% |
2016年夏頃は一時的に時計が安くなった時期とはいえ、1年少しの間において160万円の値上がりというのは、素直に信じられれないほど驚く値上がり額だと思います。
5980/1A-014は売っている個体が1本という状況であるため、それが参考になる額なのかを見極めるのが難しいため、“素直に信じられない”という思考はより強くなります。
けれども最近、2006年に登場した『-001』のほうは約699万円で売り切れ状態。
よって、ノーチラス5980/1Aが600万円台後半になっていると判断可能なため、この『-014』の現在価格はクロノグラフのノーチラスにとって当たり前の額といえるでしょう。
ですから、超高級クロノグラフモデルであるノーチラス5980/1Aは1年4ヶ月という期間で160万円もの値上がり状態となっている凄い時計であるのです。
実際、3針の5711/1A-010が2015年と比較して150万円以上高くなっているため、クロノグラフの5980/1Aが160万円の値上がり状態というのは理解できる現象だといえるでしょう。