90年代後半から始まった第一次腕時計ブーム時より、4桁リファレンスのロレックスは「アンティーク」と呼ばれ、とても希少価値が高い“憧れ”のモデルという印象でした。
そしてその人気ぶりはいつになっても変わることはなく、今でも4桁時代のスポーツロレックスに対する人気は高いと感じます。
しかし、その“高そうだ”というインパクトとは裏腹に、実は値動きを見極める難しさが現在の4桁ロレックスには存在します。
その理由こそ、日本ロレックスでメンテナンスしてもらえるかどうか分からないという点にあり、それぞれの個体によって相場が異なるのです。
特に4桁のスポーツロレックスは、一時期文字盤へのリダン行為やパーツの付け替えなどNGなメンテナンスがされた個体が混じっている可能性が存在。
そのような改造を受けたモデルは、現行モデルであれば「該当パーツの交換」や「メンテナンス受付拒否」といった何かしらのNGポイントとなるため、時計本体の価値を低下させる要素です。
けれども、上記のような改造を受けていない“素性の良い”個体でも、年式が古いモデルの場合はメンテナンス受付が不可ということがあり、素性の良さを証明しづらい側面があるのです。
その結果、4桁リファレンスは同じモデルでも価格帯がばらばらでどれを選んで良いか分かりづらいという事情が存在。
ですから、“アンティーク”と呼ばれるスポーツロレックスは、本来人気がある時計でありながら、手を出しづらいという点もあるのです。
そのため、評価基準が明白な個体を選ぶ重要性が高く、その筆頭こそ日本ロレックスでメンテナンス履歴がある個体です。
また、4桁ロレックスの場合生産された年月が長いなどという点もあるため、相場を比較する際は年式も含め“同じような条件で比較”するという事が重要です。
そして、それら条件によって4桁リファレンスのスポーツロレックスを評価した場合どのようになっているかというと、きちんと値上がりしていることがわかります。
4桁ロレックスの象徴的な存在であるエクスプローラー1016は、2017年の2月から12月にかけて20万円以上も高くなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年2月 の安値(楽天) |
2017年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
エクスプローラー 前期ハック無し 日本ロレックスOH済 1016 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥1,069,200 | ¥1,280,001 | 210,801 | 119.72% |
2017年は数多くの腕時計が値上がりした年ですが、1016もきちんと20万円以上値上がり状態。
1016はとても強いモデルですが、先のように難しさが存在。
そして、
という条件で比較した場合、2月から12月にかけて20万円値上がりしていることが分かります。
その期間で20万円の値上がりというと立派な値上がりとも思えますが、実は16520や16610LVに負けています。
1016というモデルは16520と引けをとらないほど人気があったモデルであり、その魅力は今でも失われていないように感じます。
そのため、2月と比べて20万円の値上がりでありながら、現在の128万円という価格は、1016の人気度、魅力、希少性を考慮するとお得にも感じる水準だと思います。