2013年以降の腕時計相場は、2014年より2015年のほうが高く、2016年に一旦安くなったものの2017年に更に高くなったという印象があります。
しかしパテックフィリップに関しては、2014年が最も高かったというモデルがいくつか存在。
例えば、アクアノートの5167/1Aなどもその例に当てはまるのですが、最近は値上がり傾向で2014年に引けを取らない水準となってきています。
とはいえその一方で、依然として2014年のほうが高いモノがあるのです。
この年次カレンダー5396R-001はまさにその例で、2014年より14万8000円安く購入可能。
パテックフィリップのコンプリケーションモデルというと、とても高いというイメージがありますが、2014年と比べて安いというのは意外です。
そして、さらに興味深いのは2014年と2017年とではノーチラスと相場が逆転しているという点です。
3針ステンレスのノーチラスより、コンプリケーションである年次カレンダーのほうが高いというのは長らく常識的な価格序列でしたが、現在400万円以上というノーチラス5711/1Aに対し、同じ時代の年次カレンダー5396-001は400万円以下という水準です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2014年11月 の安値(ヤフオク) |
2017年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
年次カレンダー 5396R-001 |
中古 | 3年 1ヶ月 |
¥3,980,000 | ¥3,832,000 | -148,000 | 96.28% |
5396は年次カレンダーにおける小窓デザインモデルのレギュラーモデルとして2006年にデビュー。
小窓デザインの年次カレンダーが初登場したのは2003年のことで、WEMPE125周年を記念した限定モデル5125は世界中で「格好良い」と評価されていました。
そうした経緯もあり、レギュラーモデルにも小窓デザインの年次カレンダーが加わったのですが、2006年に出た『-001』はWEMPEとは似つかない印象。
WEMPEモデルが、永久カレンダーの名作3448などに似ていたのに対し、5396は1930年代に出たモデルの復刻版という印象だったのです。
そして、WEMPEモデルに近いデザインである『-010』が2010年に登場した際は、やっとWEMPEに近いモノが出たという印象となりました。
そのため『-001』は、長らく『-010』より安い状況です。
ちなみにWGのほうが価格差があり、現在『-001』が約338万円なのに対し、『-010』は478万円という水準です。
WGモデルの過去価格の参考が無かったため、今回はローズゴールドの事例を紹介しましたが、WGのほうがより『-001』と『-010』の価格差が分かりやすい状況となっています。
しかし、この独特な『-001』の文字盤は、個性的であるがゆえに今後「これが良い」という人が増えても不思議ではありません。
そのため、この文字盤が好きという方にとっては、安く買えるためとてもお買い得だといえるでしょう。