2017年夏過ぎから値上がり傾向のGMTマスターシリーズ。
特に値上がりが目立っていたのは5桁リファレンスの各SSモデルで、これまで大きな値動きを見せなかった16700も値上がりしています。
16700は2016年でも2012年頃と比べると既に「かなり高くなった」という印象でしたが、その相場は60万円前後という水準。
それが今では80万円台という相場まで上昇しているのです。
また、16700の最終品番であるA番は100万円以上という相場になっており、まさに「GMTマスター」の最終モデルとして評価されているという印象。
GMTマスター2は今でも現行ですが、『II』の付かない元祖GMTマスターは1999年にシリーズ終了となっている希少モデルなのです。
そしてそのGMTマスターには当然4桁リファレンスモデルが存在。
4桁といえば、「アンティーク」と呼ばれる人気の世代ですが、その時代において『II』は存在していませんでした。
ですから、4桁時代のGMTマスターといえばこの1675なのです。
ちなみに1956年にデビューした初代の6542も4桁リファレンスですが、こちらは更に希少なモデルとして雲上という印象。
1675は、年式的にもオーソドックスな4桁リファレンスの特徴を有し、“フチ無し”文字盤やプラスティック製風防の雰囲気がそれを彷彿とさせます。
後継モデルの16750の場合、後期モデルはフチあり仕様となり、相場が若干安い傾向。
対して1675は全てフチ無しのため、大きく安いモノが存在しないという傾向があります。
それは相場を見る際に分かりやすい要素となり、エクスプローラー1016などと比べて相場にばらつきがないという印象です。
例えば1016の場合、同じ時期に程度の良いものが90万円、怪しいモノが40万円台というようなことがあるなど相場把握が難しい傾向があります。
ですから、“同じ条件で比較”という重要性が高いのですが、それに対してGMTマスター1675は5桁リファレンスなどと分布が似ており、相場把握が容易です。
では、現在1675はどのようになっているかというと、2016年から約1年で20万円程度の値上がりとなっています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年8月 の安値(楽天) |
2017年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
GMTマスター 1675 |
中古 | 1年 4ヶ月 |
¥937,440 | ¥1,153,000 | 215,560 | 122.99% |
16700などの値動きを見ると、以前から5桁より高い4桁リファレンスの1675が110万円台というのは自然です。
とはいえ急激に値上がりした印象の5桁リファレンスと比べると値上がりが弱いともとれるかもしれません。
実際、現行モデルの116710BLNRとの価格差が10万円程度であるため、現行に10万円足せば希少なアンティークが買えるという現状は「安い」とも判断できます。
その一方で、2016年8月時点では116710BLNRに対して5万円程度しか高くなかったため、長らく現行モデルと価格差が少ないという傾向があります。
4桁リファレンスは希少かつ高いというイメージが有る反面、実は驚くほど高いというわけではないのが面白い点だといえるでしょう。
とはいえこの1675、エクスプローラー1016が大人気アンティークだった2000年前後において、「安く買えるアンティーク」として20万円台前半で売られていました。
それは、雑誌でも指摘されるほど有名でしたが、当時は安くても1675に対して魅力を感じていた人は少なかったのです。
そしてその20万円台前半で買えた時計が今では100万円以上となっているのです。