1999年に登場したヨットマスターロレジウムは、2012年頃までスポーツロレックスの価格序列でデイトナの次に高いという存在でした。
それはステンレスと比べてもコンビモデルと比べても同様で、16613の青サブが30万円台後半で買えた時代においてロレジウムは40万円台という存在だったのです。
とはいえその40万円台という水準はロレジウムにとって史上最安値であり、リーマンショック後の安い時代の相場です。
それ以前の時代、ロレジウムは『相場が安いと感じる時期は50万円台前半、高いと感じる時期は50万円台後半』という値動きだったように感じます。
そしてリーマンショック以前の2007年は腕時計が全体的に高くなっていると感じた時期ですが、その際は60万円台前半という相場。
そのため、ロレジウムの値動きは腕時計相場の流れを暗に示しているとも感じ取れることができ、それは以前の記事でもお伝えしたとおりです。
そして最近、なんとロレジウムは70万円台という相場(2017年12月13日時点)になり、まさに多くの腕時計が値上がり状態となった2017年にふさわしい相場となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年10月 の安値(楽天) |
2017年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ヨットマスター ロレジウム 16622 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥678,240 | ¥718,940 | 40,700 | 106.00% |
ロレジウム16622の中古相場が70万円以上となったのは、筆者が見ている限りでは久々の出来事です。
ロレジウムが登場して2年程度だった2001年、相変わらずロレジウムは「人気かつ高い新型モデル」という印象でしたが、その時期の中古が70万円台前半という水準。そして、それ以降は70万円以下という中古相場が当たり前だったのです。
よって、現在の70万円台以上という水準は、16622にとっては十数年ぶりといえるでしょう。
とはいえ16622の相場は2013年以降、他のモデルと比べると相対的に安いという状態でしたから、今の70万円台以上という水準は「やっと」という感覚でもあります。
実際、2012年まではデイトナ以外のどのステンレスモデルより高いのはもちろん、コンビの青サブやGMTマスター2よりも高いというのが16622のポジションでした。
それが2013年からは、青サブなどよりロレジウムのほうが安くなり、今ではステンレスのGMTマスターシリーズよりも安いという状況なのです。
また16622の後継モデルである116622が高くなっても、これまで16622は値動きしなく、プラチナ文字盤が廃止になったという要素があるにもかかわらず高くなっていなかったのです。
よって今回16622が70万円以上になったというのはとても自然という印象であり、他の時計の相場を見ると当たり前という感じもします。
とはいえ16622の相場は、今の時計相場を示しているという感覚も依然としてあるため、「プラチナ文字盤のヨットマスター」として相場全体と相関しなくなるのは、いつになるのかという期待もあります。