全体的な相場の動きと連動するような動きをする時計はいくつかありますが、例として分かりやすいのがヨットマスターの16622です。
16622は2000年代半ばから全体的な相場と連動しているように見える様子。例えば、腕時計が全体的に高かった2007年には60万円台、リーマンショック以後は40万円台、アベノミクス以降は再度60万円台となっています。
値動きする傾向の時計といえば、ロレックスという印象がありますが、実はヨットマスターの他に相場と連動しているような値動きをするモデルが存在しました。
H0970はホワイトセラミックの男性用自動巻モデル。黒が先に登場したJ12において、後から追加されたモデルです。
J12はセラミックを素材とする点が他の時計にはない要素であり、強い個性となっています。
白という色はその「セラミック」という特徴がとても分かりやすく、実際真っ白な高級腕時計という存在は他に無かったため、2003年のデビュー当初から注目されたモデルです。
今ではJ12はメジャーな存在ですが、そうなったのはホワイトセラミックが出た後だといえるでしょう。
J12という存在は、シャネル初の男性用商品として発売された経緯があり、実際デビュー当初は多くの男性がJ12を着けていたように感じます。
今でもこのJ12を格好良く着けこなす男性はいますが、そのファッション難易度は高く、現在ではデビュー当初のように多くの男性には選ばれるという傾向は少なくなった様子です。
そのため、需要が高くなく値動きしないようにも見えます。
けれども、実はJ12の相場はきっちりと動いており、相場全体が安めのときは安く、高めのときは高いという値動きだったのです。
例えば、2010年には約25万円という水準だったのが2015年には40万円台という水準まで上昇。そして、2016年に腕時計が一旦安くなった時には20万円台になったのです。
しかし2016年の値動きからは、この時計の値動きは相場全体と連動しているというような様子ではなくなったといえます。
2017年には相場全体が再度高くなったため、このH0970も値上がり傾向。とはいえその水準は相変わらず20万円台後半という状況なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年6月 の安値(楽天) |
2017年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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シャネル
J12 H0970 |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥269,001 | ¥289,440 | 20,439 | 107.60% |
J12のH0970は2008年のリーマンショック以前も非常に高く、その中古相場は40万円台という水準(2008年夏頃は43万円前後)。そして、2015年も40万円台と同様ですから、値動きとしては自然です。
2016年の値動きは、J12の値動きとしては異例ともとれる現象です。
2015年に40万円台だったのが2016年には20万円台前半とかなりの下落となっているのです。これはロレックスだとリーマンショック時並に下落したともとれるほどの値下がりです。
J12には、男性需要がデビュー当初より減っている可能性があるため、たしかにマイナス要素もあります。
とはいえ、2017年には再度J12が値上がり傾向であるため、その判断は難しく、とても興味深い存在だと感じます。