90年代後半に登場したパシャ38mmの3モデルは、『ギョーシェ文字盤+裏スケ』という仕様が共通した高級モデルです。
2000年頃における新品実勢価格は3針モデルが40万円台、クロノグラフが約60万円という水準。
当時の60万円というとカサブランカと同水準であり、かなり高級な価格帯という印象です。
実際、パシャ38mmクロノグラフの定価は100万円以上であり、搭載しているムーブメントもフレデリックピゲ1185とその価格に見合ったもの。
1185は、ロイヤルオーク、オーバーシーズなど雲上ブランドのクロノグラフにも搭載されているというように、上級モデルに搭載される傾向があります。
1185を搭載したモデルとしてこれまで安かったのはオメガのブロードアローで、定価でも50万円台という水準。ブロードアローは1185搭載モデルとしては安めですが、当時のオメガの中での上級モデルという扱いです。
そして、長らく1185搭載モデルの最安値水準はブロードアローだったのですが、最近様子が変わってきています。
ブロードアローが30万円前後となっているのに対し、パシャ38mmは20万円台という水準。
さらにここ最近は程度の良い個体が25万円以下で売られており、値下がり傾向となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年7月 の安値(楽天) |
2017年12月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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カルティエ
パシャ38mm W31030H3 |
中古 | 0年 5ヶ月 |
¥288,000 | ¥248,400 | -39,600 | 86.25% |
1年前の今の時期において、パシャ38mmクロノグラフの程度の良い個体は30万円以上という水準となっており、極稀に安い個体が出たとしても29.8万円というような額だったのです。
しかし、今となっては20万円台後半で買える個体は珍しくなく、さらに程度が良いのにもかかわらず25万円以下という個体まで複数本ある状況。
3針モデルが値上がり傾向となっているのに対し、クロノグラフは値下がり傾向であるのです。
クロノグラフは2000年頃の実勢価格や定価が示しているように、本来3針より高いモデル。
リーマンショック後において3針モデルが20万円台前半となっていた時期でも、クロノグラフは30万円台半ばという相場をキープしていました。それは2016年1月ごろでも同様で約35万円という水準です。
しかし、2016年8月頃には30万円を切り、それ以降値下がり傾向が続いているのです。
パシャ38mmは3針モデルが値上がりしているというように、人気の高いモデルです。
さらにクロノグラフの定価は100万円台という水準であり、仕上げも中身もそれに伴ったモノ。
それでいてパシャという独特な世界観が示されており、デザインも美しいと感じます。
ですから、パシャ38mmは良い要素があるにもかかわらず値下がり傾向であるのです。
内容や過去相場を考慮すると、今の相場はとてもお買い得だと感じます。