2017年はノーチラス5711/1A青文字盤の値上がりが目立ち、それまででも十分に高いと思われた300万円台という価格から400万円以上という相場に変化しました。
それは前モデルの3800/1Aでも同様で、200万円台前半だった青文字盤が300万円前後という相場まで上昇しています。
特に青文字盤の値上がりが目立つノーチラスですが、3針モデル以外だと青文字盤ではないクロノグラフが100万円以上の値上がりとなっていますし、白文字盤の5711/1Aも上昇しています。
現在のノーチラスはデイトナ並かそれ以上に注目されているという状況であり、世界一人気のある高級腕時計というポジションに相応しい人気ぶりだと思います。
注目度の高いノーチラスにとって、レアモデルという存在はまさに今、世界中の時計好きに注目される時期だといえるでしょう。
ノーチラスの場合、2000年代半ばのモデルチェンジまでラインナップがとてもシンプルだったため、生産終了となったレアモデルはそう多くありません。
特に2000年以前のモデルになるとレアモデルは2種類しかなく、それはジャンボサイズに限られます。
実際1982年からノーチラスは33mmの3800/1Aとクオーツの3900/1Aがメンズサイズのラインナップだったため、1976年のデビューから2005年までの期間ではジャンボサイズが少数派なのです。
1つ目のレアモデルといえば、初代モデルの3700です。
3700にはステンレスやコンビモデル、幻のプラチナモデルなどが存在する模様ですが、そのどれもが希少で高値。売り出されること自体がレアなのですが、先日出た3700/1Aは700万円台という価格で売り出されてから数日間のうちに売れてしまいました。
そして2つ目のレアモデルが1998年頃に登場した3710/1A。
この3710/1Aこそ3700以来、十数年ぶりに復活したジャンボサイズのノーチラスなのです。
そして3710/1Aにはもう一つのレアポイントが存在。
それは12時位置に存在する特殊な機構のパワーリザーブインジケーターであり、その存在により「PATEK PHILIPPE」の表記が文字盤中央より下に位置しているのです。そのため、見た目的にもレアポイントの強いモデルです。
筆者が確認できる範囲でですが、この構造のパワーリザーブインジケーターは他のモデルへの採用事例が無く、針とインダイヤル部分が別々に回転するという仕掛け自体もかなり珍しいものだと思います。
また、3710/1Aは伝統の2ピース構造となっており、それもまた希少性の高い点だといえるでしょう。
よって、3710/1Aには、
というノーチラスの伝統的要素があり、
という特殊な要素も存在。
それでいて生産年が短いため、今の基準では何かと特殊なレアモデルに映る時計です。
そのためか、2016年の300万円以下という価格から、140万円以上も高くなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年10月 の安値(楽天) |
2018年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ノーチラス 3710/1A |
中古 | 1年 3ヶ月 |
¥2,863,400 | ¥4,298,400 | 1,435,000 | 150.12% |
この3710/1Aは現行時代における新品実勢価格が90万円前後という水準。
その頃は誰からも注目される時計ではありませんでしたが、2006年頃から高くなり2007年には2016年とほぼ同水準に達していました。
2016年10月の約286万円という価格は、他の時計が値下がりしたのと同様に若干安くなっていますが、それ以前は約300万円という水準でした。
かつて新品が90万円程度で売っていた時計が300万円ですから、十分に高くなったと感じる価格だと思います。
しかしこの時計、2016年10月から2018年1月にかけてそこから更に高くなり、その上昇額は140万円以上という状況なのです。
3710/1Aが400万円台というのは筆者が見る限り過去最高値を更新したと考えられます。
とはいえ3711/1Aの価格や世界的な人気をみれば、よりレア感の強い3710/1Aが400万円台というのは自然だとも感じます。