回転ベゼルといえば、主にスポーツモデルに採用されるモノという印象がありますが、以前からデイトジャストには“回転ベゼル付き”のモデルが存在していました。
ロレックスブームだった2000年前後に回転ベゼルのデイトジャストとして販売されていたのは「サンダーバード」だったのですが、2004年にモデルチェンジされた際に「ターノグラフ」へと変化しました。
「ターノグラフ」という名称は50年ぶりに復活した名称と言われていましたが、2004年頃においては「サンダーバード」という名前のほうが親しみがあったため、若干混乱した方もいたかもしれません。
サンダーバード時代から主に変化したのは、文字盤上に「TURN-O-GRAPH」と記載されている点など多岐にわたります。
デイト表記と針の色は「赤」となっており、通常のデイトジャストとは明らかに違うという印象です。
特にデイト表記の「赤」は、1950年代頃までに製造されていたモデル以来、久々に採用されたモノだと思います。ただ当時のモデルは、奇数だけが「赤」となっておりターノグラフとは異なります。
ロレックスとしては何かと「特別仕様」が多いターノグラフですが、その特別要素が多すぎてデビュー当時の印象としては若干「お腹いっぱい」ともとれる側面もあったことでしょう。そのため、2004年にデビューしてから10年程度で生産終了となっており、比較的不人気というキャラクターである模様です。
2004年のデビューというように、6桁世代の幕開けを飾るモデルだったのですが、イレギュラーな内容が逆にロレックスらしく無いともいえ、さらにデビュー当時は多くの人が6桁世代に慣れていなかった状況であったため、より一層理解されにくかったのだと思います。
そんな何かと特別感の強いターノグラフですが、実はさらに特別なモデルが存在。
それが、2011年頃に登場した日本限定モデルなのですが、針とデイト表示が「緑」となっているのです。
特にデイト表記の「緑」は他に採用事例がなく、ロレックスとしてはかなりレアなポイント。
それでいて、限定数も少なかった時計ですから、意外性と希少性の塊のような存在です。
そのためかこの日本限定モデルは、ターノグラフとしても、その他のデイトジャストと比較しても、類を見ないほど高くなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2013年5月 の安値(ヤフオク) |
2018年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ターノグラフ 日本限定 白文字盤 116263 |
中古 | 4年 8ヶ月 |
¥732,900 | ¥1,218,000 | 485,100 | 166.19% |
この時計、2013年には約73万円という水準ですが、その翌年である2014年には約85万円となっており、この5年間で年を追うごとに高くなっている模様です。
一方、通常モデルのターノグラフはここ数年で相場が大きく変わっていないため、日本限定モデルだけが高くなっている状況です。
日本限定モデルは、この個体がそうであるように“F番(2004年製)”というモノを多々見かけることから2004年頃既にあったのかと思いってしまいます。
しかし、実は2011年頃に登場したモデルであり、ターノグラフが生産終了となった少し前に出たという存在なのです。
この日本限定がここまで高くなったというように、ターノグラフの特殊さはデビューしてから10年以上経った今だからこそ理解可能なのかもしれません。