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現在相場考察

日本限定はとても上昇、ロレックスターノグラフ116263

2018年1月13日更新
ロレックスのデイトジャスト116263について斉藤由貴生が執筆。本記事では2013年5月の安値(ヤフオク)と2018年1月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この4年8ヶ月での変動は48万5100円の値上がりだった。

ターノグラフ 日本限定 白文字盤 116263についての考察(2018年1月)

回転ベゼルといえば、主にスポーツモデルに採用されるモノという印象がありますが、以前からデイトジャストには“回転ベゼル付き”のモデルが存在していました。

ロレックスブームだった2000年前後に回転ベゼルのデイトジャストとして販売されていたのは「サンダーバード」だったのですが、2004年にモデルチェンジされた際に「ターノグラフ」へと変化しました。

「ターノグラフ」という名称は50年ぶりに復活した名称と言われていましたが、2004年頃においては「サンダーバード」という名前のほうが親しみがあったため、若干混乱した方もいたかもしれません。

サンダーバード時代から主に変化したのは、文字盤上に「TURN-O-GRAPH」と記載されている点など多岐にわたります。

デイト表記と針の色は「赤」となっており、通常のデイトジャストとは明らかに違うという印象です。

特にデイト表記の「赤」は、1950年代頃までに製造されていたモデル以来、久々に採用されたモノだと思います。ただ当時のモデルは、奇数だけが「赤」となっておりターノグラフとは異なります。

ロレックスとしては何かと「特別仕様」が多いターノグラフですが、その特別要素が多すぎてデビュー当時の印象としては若干「お腹いっぱい」ともとれる側面もあったことでしょう。そのため、2004年にデビューしてから10年程度で生産終了となっており、比較的不人気というキャラクターである模様です。

2004年のデビューというように、6桁世代の幕開けを飾るモデルだったのですが、イレギュラーな内容が逆にロレックスらしく無いともいえ、さらにデビュー当時は多くの人が6桁世代に慣れていなかった状況であったため、より一層理解されにくかったのだと思います。

そんな何かと特別感の強いターノグラフですが、実はさらに特別なモデルが存在。

それが、2011年頃に登場した日本限定モデルなのですが、針とデイト表示が「緑」となっているのです。

特にデイト表記の「緑」は他に採用事例がなく、ロレックスとしてはかなりレアなポイント。

それでいて、限定数も少なかった時計ですから、意外性と希少性の塊のような存在です。

そのためかこの日本限定モデルは、ターノグラフとしても、その他のデイトジャストと比較しても、類を見ないほど高くなっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2013年5月
の安値(ヤフオク)
2018年1月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
ターノグラフ
日本限定
白文字盤
116263
中古 4年
8ヶ月
¥732,900 ¥1,218,000 485,100 166.19%

この時計、2013年には約73万円という水準ですが、その翌年である2014年には約85万円となっており、この5年間で年を追うごとに高くなっている模様です。

一方、通常モデルのターノグラフはここ数年で相場が大きく変わっていないため、日本限定モデルだけが高くなっている状況です。

日本限定モデルは、この個体がそうであるように“F番(2004年製)”というモノを多々見かけることから2004年頃既にあったのかと思いってしまいます。

しかし、実は2011年頃に登場したモデルであり、ターノグラフが生産終了となった少し前に出たという存在なのです。

この日本限定がここまで高くなったというように、ターノグラフの特殊さはデビューしてから10年以上経った今だからこそ理解可能なのかもしれません。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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