カラトラバにおいて有名モデルは96やトロピカルなどがありますが、90年代カラトラバの中で比較的人気な存在といえば5000です。
ノーチラス3700のように、それまでパテックフィリップのリファレンスは3000番代でしたが、5000番代はこのモデルから始まりました。
カラトラバとしては珍しい黒文字盤が採用されたこのモデル。ホワイトゴールドのGとイエローゴールドのJ、ローズゴールドのRがありますが、最も先に出たのはホワイトゴールドの5000G。
ちなみに3つの中で5000Gだけがアプライド文字盤となっていないため、文字盤下部分に唯一シグママークがありません。
そして、5000の中で最もポピュラーだったのが5000Jで、特に2000年代前半に人気が高かったように感じます。
5000Jは標準でDバックル仕様となっているように、当時のカラトラバの中では上級モデルにあたります。
また、カラトラバは手巻きより自動巻のほうが高級ですが、この5000Jには薄型のキャリバー240が搭載。裏スケ仕様の裏蓋から眺めることができ、高級モデルらしい内容となっています。
ゴシック体のアプライド、その金色が黒文字盤と相まってかなりモダンな印象。それでいて、つやっとしたケースの形状はパテックフィリップらしく、そのバランスの絶妙さがとても魅力的なため人気が高いのでしょう。
しかしこの時計、2000年代前半はアクアノートより高かったのですが、今となってはアクアノートより100万円規模で安い存在となっているのです。
2008年のリーマンショック以降、アクアノート5065/1Aとカラトラバ5000Jは、ほぼ同価格という水準。両方とも80万円台で売られていました。
それが2013年以降、アクアノートがとても高くなったことにより価格差が開いていったのです。
では2013年以降において5000Jがどのようになったかというと、他の自動巻カラトラバと同じ価格帯に位置するということになりました。
その価格は大体110万円台から120万円台といったところで、それが数年続いていたように感じます。
けれども最近、5000Jは若干の値上がり傾向となっており、約1年という期間で10万円ほど高くなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年12月 の安値(楽天) |
2018年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
カラトラバ 5000J |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥1,278,000 | ¥1,380,000 | 102,000 | 107.98% |
2017年は腕時計が全体的に高くなったため、1年で10万円程度の値上がりというのは驚くに値しないかもしれません。
とはいえ、1年で10万円値上がった時計は決して多いというわけではなく、特にこのカラトラバのようなドレス系のマニアックモデルが値上がりするというのは珍しいことだと思います。
5000Jが値上がりしたのは、先のように独特な魅力があるからでしょう。
実際、この時計は2000年代前半に人気があったというように、値上がりしても不思議ではない存在です。