エルプリメロ搭載のパネライといえば、2000年に登場したPAM00072が最もポピュラーなモデルですが、このPAM00074はその革ベルトタイプといった存在です。
当時の40mmパネライには、基本的にブレスレットと革ベルトが存在。例えば黒文字盤の50番に対応する革ベルトは48番です。
PAM00072と同様のコンセプトが初めて登場したのは1999年のことですが、その際登場したPAM00052は限定モデルでブレスレットモデルしかありませんでした。
そのため、エルプリ搭載パネライとしてはPAM00074が初の革ベルトモデルであり、革ベルトのエルプリモデルも3つしか存在しません。
通常、ブレスレットより革ベルトモデルのほうが10万円以上安いというように大きな価格差がありますが、特にパネライの40mmモデルの場合、不思議とストラップによる価格差が大きくありません。
ルミノールクロノの場合、チタンとステンレスのコンビ仕様という特徴があるため、ブレスレットのほうがそれをより楽しめるという観点もあるかと思います。
しかし、このPAM00074と72番は他の40mmモデル同様、ブレスレットと革ベルトモデルの価格差が少ないのです。
その理由として考えられるのが、「パネライ=革ベルト」というイメージがある点。
パネライを買うなら革ベルトが良いという人は多く、そのような需要に対して希少なエルプリ搭載のPAM00074はとても魅力的な存在なのだと思います。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2011年1月 の安値(ヤフオク) |
2018年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールクロノ PAM00074 |
中古 | 7年 0ヶ月 |
¥627,900 | ¥758,000 | 130,100 | 120.72% |
リーマンショック後に数多くの腕時計が安くなりましたが、パネライもルミノールベースが20万円台前半となるなど一部モデルが安くなっていました。
しかし、ルミノールクロノは2011年でも60万円前後という相場で、極端に安くなってはいなかったのです。
先のように、パネライは革ベルトとブレスレットの価格差が大きくない傾向がありますが、2011年においてもそれは同様でブレスレットの72番も革ベルトモデルであるこの記事PAM00074も60万円前後という価格帯に位置していたのです。
PAM00072は2016年に65万円程度だったため、2011年としてはいかに高かったかが分かります。
2011年における60万円近辺にはどのような時計が存在していたのかというと、デイデイト18038やデイトナ16523という顔ぶれ。それらは現在100万円以上という水準ですから、いかにルミノールクロノが高かったかがわかります。
しかしながら、ルミノールクロノは値崩れしなかった代わりに値上がりが鈍く、2018年の今でも2011年から約13万円の値上がりという状況です。
13万円の値上がりしているなら立派だともいえますが、2017年には1年で10万円程度の値上がりとなったマニアックモデルも存在。
そしてそういったマニアックな人気要素にこのPAM00074も当てはまるため、この値上がり額は優秀とはいえない見方もできるのです。
ちなみにこのPAM00074、2008年11月というリーマンショック直後の時期においては約99.7万円という状況。
リーマンショック以降、最も安かったといえる時代が2011年頃なのですが、そこから大きく回復していないというのは興味深い点だと思います。