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現在相場考察

高い水準に位置するカラトラバ、パテックフィリップ5107G

2018年2月2日更新
パテックフィリップのカラトラバについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2003年4月の新品実勢価格(2社平均)と2018年1月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この14年9ヶ月での変動は¥852,917だった。

カラトラバ 5107Gについての考察(2018年1月)

第一次腕時計ブームの2000年代前半当時に現行としてラインナップされていたパテックフィリップのざっくりとした現在価格は、自動巻カラトラバ130万円前後コンプリケーション200万円台半ばから300万円前後アクアノート(SS)が200万円前後ノーチラス(SS)が250万円から300万円という様子です。

とはいえ、カラトラバについては130万円前後という範囲には収まらないモノが存在。

1つが3796なのですが、パテックフィリップの代表的モデルという側面がありながら、現在100万円以下で入手可能です。

その一方で、90年代のカラトラバとしてはとても高水準に位置するモノが存在します。

それが、5107というモデルです。

5107は2000年に登場したリューズガード風のデザインが印象的なモデル。

2000年といえば、ワールドタイムが復活した年ですが、その時登場したワールドタイム5110もリューズガード風なデザインとなっています。

現在ではカラトラバの中で飛び抜けて高いこの5107ですが、2000年代前半においては、特に高いというわけではありませんでした。

それどころかリューズガード風のデザインがパテックフィリップらしくない」と一部には不評で、決して人気があるモデルというわけでは無かったのです。

実際、当時はこの5107より5000Jのほうが高値というぐらいっだったのです。

5107の新品実勢価格は、2000年代前半としては少し高くなり始めていた2003年時点でも120万円台前半でした。

また、安い時では中古が60万円台ということもあったため、2000年代前半において5107Gは不人気に近い存在だったのです。

そんな5107に異変が訪れたのは2007年頃

それまで中古が100万円前後という相場だったのが、この年に約138万円程度にまで上昇。

明白な理由は不明ですが、なぜか評価され始めたのです。

ただし、その後のリーマンショックによりこの時計の中古は再び100万円近くまで下落。

そして、それが2013年以降は再び高くなり始め、今ではなんと200万円以上という相場にまで上昇しているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2003年4月
の新品実勢価格(2社平均)
2018年1月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
5107G
新品 14年
9ヶ月
¥1,227,083 ¥2,080,000 852,917 169.51%

なお、5107にはWGの5107Gと5107YGのJ、プラチナの5107Pが存在していますが、5107Gだけでなく5107J200万円台という相場であり、過去と比較して高くなっている様子は同様です。

とはいえ、この5107と同じ系統のデザインである5115G5115J150万円前後という相場。

5115はエナメル文字盤が採用されており、5107よりもレア要素があります。

それにも関わらず5107より安値なのです。

5115は5107を豪華にした印象ですが、クルドパリが不人気ポイントなのかもしれません。

とはいえ、エナメル文字盤パテックフィリップにおいてとても人気の要素ですし、雲上という醍醐味を味わうのに適しているともいえます。

5107はなぜ高くなったのか不明ですが、2007年頃から評価されはじめたというのは確かです。

2007年頃に何があったかというと、5107の生産終了が考えられます。とはいえ、5107は2005年頃に生産終了になった模様です。

とはいえシンプルなドレスモデルであるカラトラバは生産終了になったからといって、急激に値上がりとなるようなモデルではありません。

ですから、5107が値上がりした大きな理由は検討がつかず、謎というしかありません。

5107は2015年頃から200万前後という相場になっており、それが数年続いています。

謎でないことは、5107が数年に渡り高い相場を維持しているということです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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