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現在相場考察

2002年の新品よりも2倍以上高値、サブマリーナノンデイト14060M

2018年2月3日更新
ロレックスのサブマリーナー14060Mについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年9月の安値(楽天)と2018年1月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年4ヶ月での変動は18万6840円の値上がりだった。

サブマリーナ 14060Mについての考察(2018年1月)

2000年頃、エアキングとサブマリーナノンデイトのリファレンス末尾に「M」が付いたため、マイナーチェンジが施されたということが分かります。

なんとなく「M」が付くほうが新しそうで近代的要素を感じられるため、Mでないモノに対して若干高値という傾向があります。

無印と「M」の違いは、搭載する機械がキャリバー3000から3130に変更されたということなのですが、Mは2000年以降のモノしかないため、文字盤の発光塗料がすべてルミノバであるなど近代的モデルという印象があります。

エアキング14000Mは2007年に6桁世代へとモデルチェンジされた一方で、サブマリーナノンデイトがモデルチェンジされたのは2012年。

結果的に14060系は長寿モデルとなり、最後まで残った5桁リファレンスとなっています。

2007年頃からの14060Mは、それまでノンクロノメーターだったのがクロノメーター化されたことにより文字盤の表記が2段から4段に増えました。

この後期モデルは比較的高値な存在だったのですが、今となっては14060M自体が高くなっています

現在売られている14060Mの中で確認できる最も安い個体はなんと約69万円という価格。これは、4段表記の後期モデルではなく2段の前期モデルです。

2016年夏過ぎに50万円前後という価格で購入可能だった14060Mは、なんと1年少しの間で20万円近くも高くなっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年9月
の安値(楽天)
2018年1月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
サブマリーナ
14060M
中古 1年
4ヶ月
¥507,600 ¥694,440 186,840 136.81%

サブマリーナノンデイトという存在は、かつてスポーツロレックスの中でも異色という存在でした。

2002年において、スポーツロレックスの中で唯一20万円台で売られていたのが14060Mです。

ちなみにその頃、GMTマスター2が「スポロレで最も安い」と言われていたのですが、それよりもノンデイトのほうが安かったのです。

ちなみに2002年6月の新品実勢価格は、14060Mが28万3500円、16710(青赤)が33万3900円、16610が38万6400円、114270が42万5250円(いずれも税込)でした。

とはいえ、サブマリーナノンデイトは、どちらかというと玄人向けのモデルという印象で、取り扱われているお店も少ない傾向がありました。

つまり、スポーツロレックスであるものの、別モノという印象だったのです。

その頃、サブマリーナといえばデイトの方を指し、実際サブマリーナデイトは最もオーソドックスなロレックスというキャラクターでした。

エクスプローラー1がプレミア価格で高いから、サブマリーナデイトで妥協した」という人もいるほどでしたし、そういった意見に対して違和感を唱える人もいないという様子でした。

しかし、今となってはサブマリーナデイトはエクスプローラーより高いのです。そして、サブマリーナノンデイトの14060Mはデイトの16610よりも高くなっているのです。

サブマリーナノンデイトはそのシンプルさがとても好印象で、サブマリーナなのにデイトが無いという意外性もある存在です。

サブマリーナといえばもともとはノンデイトのほうであり、そのオリジナリティ、シンプルさ、意外性がなんともいえない魅力を生み出していると感じます。

とはいえこの時計、ロレックスが全体的に高くなった2013年以降も30万円台で購入可能であり、40万円台になったのは2015年頃。

そして2015年以降は、50万円台、60万円台というように年々高くなっている傾向が続いています。

現時点でのボトム価格も69万4440円。あと一歩で70万円台という位置にいます。

現在確認できる14060M63件ありますが、その中の58件が既に70万円以上という価格。ですから、60万円台という価格は現在14060Mにとって少数派です。

かつて20万円台で新品が購入可能だった時計が、今では中古がほぼ70万円という水準になっているのです。

14060Mの新品が20万円台で売られていた2000年代前半において、既に4桁リファレンスのロレックスが定価を大幅に上回る価格で取引されていました。

その頃、既に「腕時計は高くなる」という現象を確認することはできましたが、まさか目の前に新品で売られている“いつでも手に入る時計”が将来高くなるとは思わなかったでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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