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現在相場考察

価格回復傾向、ワールドタイム5110R

2018年2月3日更新
パテックフィリップのについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年6月の安値(楽天)と2018年2月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この0年8ヶ月での変動は¥483,840だった。

ワールドタイム 5110Rについての考察(2018年2月)

2000年に登場して以来、コンプリケーションの中核モデルとして存在感のあるワールドタイム

もともとワールドタイムというモデルは、1950年代頃までに存在した幻のモデルでしたが、そのモデルを所謂「プチコンクラス」にラインナップしたため、2000年の復活時から話題になったモデルです。

現在、現行としてラインナップされているモデルは3代目。初代の頃は、4つの素材から選べるというシンプルなラインナップで、文字盤の色すら“プラチナだけが異なる”という構成でした。それが2代目以降はクロワゾネ文字盤などの特別仕様が展開されたり、女性用が登場したりとラインナップが増えています。

ラインナップが増えたため、ワールドタイムの全体像は把握しづらくなりました。

とはいえ、この時計は「高いのモノである」ということは分かりやすく、それは中古のボトム価格が現在300万円程度ということからも明白です。

現在、最も安いワールドタイムは初代のYGモデルである5110Gで、298万円とう価格です。

そしてその次に安いのがローズゴールドの5110R約302万円という価格なのですが、なんとこの時計、2017年6月から1年経たないうちに48万円もの値上がりをしているのです。

しかし、この時計についてはもう少し詳しく見る必要があります。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年6月
の安値(楽天)
2018年2月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ワールドタイム
5110R
中古 0年
8ヶ月
¥2,538,000 ¥3,021,840 483,840 119.06%

それは、2015年8月時点で320万円という水準だったという点です。

現在の水準は、2017年6月と比較すると約48万円の値上がり状態ですが、2015年8月と比べると20万円近くの値下がり状態なのです。

ですからこの時計、2015年まで高かったのが、あるタイミングで安くなってしまったということ。

ではそれはいつなのかというと、2016年8月です。

2016年8月といえば、数多くの時計が値下がり状態なった時期。そのことは何度も記事でお伝えしていますが、このワールドタイムもそれに該当する値動きをしているのです。

2016年8月における5110R285万4000円という価格。

ですから、その時点で2015年から30万円以上安くなっていたということになります。

そしてこの時計は、他の時計とは異なり2017年になっても価格回復せず、2016年8月時点より値下がりしていたのです。

以上のことにより、2018年2月現在の価格は2016年以来やっと回復傾向になったということ。

とはいえ、まだ2015年時点までは戻っていないため、値上がりというには道半ばという感じだと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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