第一次腕時計ブームだった90年代後半、中古腕時計の情報を掲載する雑誌が現れたり、ドンキホーテに行けばロレックス、オメガ、カルティエ、ブルガリの基本ラインアップが揃っているという状況がありました。
現在、郊外のドンキホーテでは高級腕時計の取扱が少なく、ロレックスなどを置いているのはメガドンキホーテなどに限る傾向です。とはいえ、東京のメガドンキホーテですら、かつての郊外型ドンキホーテの取扱数には及んでいないといえます。
かつての郊外型ドンキホーテでは、ステンレスの主要モデルが大体揃っているという状況でした。例えばオメガであれば、シーマスターの120m、300m、クロノ、スピードマスターのデイト、デイデイト、プロフェッショナルが揃っており、それらの文字盤色のラインナップも充実していたのです。
休日ともなると時計コーナー付近には多くの人が詰めかけ、ショーケース越しに高級腕時計を眺めている様子がありました。
当時筆者は、そのショーケース越しにオメガのスピードマスターデイト3513.30が欲しいと思ったのですが、同じように思った人は多かったようで、スピードマスターデイトは売れ筋モデルとして多くの流通があります。
筆者が記憶する3513.30のドンキホーテの新品価格は13万8000円(税別)だったのですが、資料が存在する2001年4月の新品実勢価格は14万4900円(税込)であるため、2000年代前半までにおいて大体そのぐらいの新品価格で売られていた時計です。
ではこの3513.30が現在どのような相場なのかというと、中古で約14.5万円。2000年代前半頃の新品価格からほぼ変わっていません。
とはいえ、2011年頃においてこの時計は安く、10万円を切る状態で程度の良いモノが手に入りました。
3513.30は流通量が多く、なおかつ実用時計として使われた傾向のある時計のため、今でも2011年でも程度の悪いモノが多い傾向があります。
そのため、相場を見極めるには程度の良いモノを見る必要性が高いのですが、Aランクのモノを比較した場合、2011年から5万円の値上がりとなっています。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2011年6月 の安値(ヤフオク) |
2018年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オメガ
スピードマスター デイト 3513.30 |
中古 | 6年 8ヶ月 |
¥98,000 | ¥148,000 | 50,000 | 151.02% |
スピードマスターデイトの銀文字盤は、有名モデルではないものの決して知名度が低いモデルではなく、多くが流通しています。
とはいえ、近年高級腕時計に興味を持った方には馴染みのない時計ともいえるでしょう。
また、これと似たような見た目で違うリファレンスが存在しますが、それに該当する3211.30はこの3513.30の後継モデルです。
3211.30は2006年に出たモデルですから、2000年前後に現行だった3513.30はその頃生産終了になったことになります。
2000年前後に現行モデルだった3513.30は、第一次腕時計ブームという時代において、入門用の1本として購入されたと思われますが、その頃の新品価格と現在の中古が同一という優秀さを秘めています。
とはいえ、実は2001年4月においてプロフェッショナルの3570.50は17万6400円(税込)という新品実勢価格。
3570.50は中古が現在30万円近い水準になっていますから、実は2000年代前半の選択としては「少し高い」と思っても、プロフェッショナルを買ったほうが正解ということになるのです。