2002年頃、新型となった伝統的なポロとともに発表されたこの時計。ピアジェ初のステンレス製腕時計としてデビューしました。
それまでのピアジェはステンレスの時計を作らないと宣言していたので、ピアジェの歴史を変える時計だったのです。
この時計、三雲ブランドのステンレス時計(アクアノート・ノーチラス、ロイヤルオーク、オーバーシーズ)に対抗したモデル。
しかし、一般的には三雲ブランドのライバルだという認識はされず、中古は低評価でした。
マニュファクチュールという観点からはジャガールクルト製ムーブメントをベースとするロイヤルオークより良いと言え、時計の作り込みについてもオーバーシーズより優れていると評価できるモデルです。
これほど内容のよいアップストリームですが、中古相場はずっと30万円台後半が主流。
そして、下記の事例のように最も安いときは25万円なんていう時もあったのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年10月 の最安値(ヤフオク) |
2015年8月 の最安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ピアジェ
アップストリーム (クロノグラフ・シルバー文字盤) |
中古 | 2年 10ヶ月 |
¥250,000 | ¥469,800 | 219,800 | 187.92% |
ピアジェの場合、流通量が少なく知名度も三雲ブランドと比べると弱いため、たまに相場と異なるほどの安値で売られてしまうこともあります。
よって、この記事の2012年における価格は相場よりだいぶ低い傾向。
その頃の相場は安くても30万円台前半だと判断できるため、値上がりした額は10万円程度と捉えるのが良いでしょう。
三雲ブランド並か、それ以上すごい腕時計なのであるということが一般的に認知されれば、ピアジェの価値はより高まると思います。
アップストリームという時計は、文字盤の部分がブレスレットのバックルとなっているという独特な構造をしており、これは他の時計ではなかなかない要素です。
それでいて、ブレスレットの品質も良く、5連ブレスレットを採用しているため、つけ心地も非常に良好です。
通常、5連ブレスレットを採用するとどうしてもフォーマル寄りとなってしまい、スポーツモデルには適しません。
しかし、アップストリームは、5連ブレスレットであるにもかかわらず「スポーティーに見える」デザインを実現させているのです。
これだけ高い独創性かつ、品質もよく、それでいてつけ心地も良いというアップストリーム。
もっと評価されても良いのでは、と感じます。