2016年のバーゼルでデビューしたローズゴールドコンビのヨットマスター。
このバーゼルでは新型SSデイトナやエクスプローラーの新文字盤が同時に登場したため、そちらの方が大きな話題となっていました。
とはいえ、このブラウンなヨットマスターの色合いはとても「ツボ」であり、メジャーな存在とはならないものの、通の目には止まるモデルだったと思います。
ブラウンの色合いは、5桁時代のGMTマスター2、16713を彷彿とさせますが、ローズゴールドとチョコレート文字盤のシックな色合いが、より近代的な印象となっています。
「チョコレート文字盤」といえば、デイトナ116515LNというイメージがありますが、スポーツモデルとして「チョコレート文字盤」の採用はデイトナに続いて二番目だと思われます。
また、ローズゴールドコンビという要素も近年登場した組み合わせであり、採用事例も少ない傾向です。
そのため、このヨットマスターは“ブラウンな見た目が良い”というような『感性に訴えかける魅力』だけでなく、
というレア要素も秘めているのです。
そんなヨットマスター116621はデビューしてからそろそろ2年が経過する頃ですが、中古が一定数存在している状況となっています。
話題性の高いステンレスモデルと比較して中古の数は少ない傾向ですが、それでもきちんと一定数存在するというのは比較的マニアックなモデルながら流石はロレックスといったところです。
さて、そんなヨットマスター116621の現在相場はどのような状況かというと、デビュー直後の新品実勢価格より今の中古相場の方が高いということになっています。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年11月 の新品実勢価格(3社平均) |
2018年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
ヨットマスター 116621 |
新品 | 1年 3ヶ月 |
¥1,256,333 | ¥1,307,950 | 51,617 | 104.11% |
2016年夏過ぎは数多くの腕時計が値下がりし、特にロレックスはその影響を受けていました。
その年デビューしたモデルがお店に並び始めるのは8月頃であるため、2016年デビュー組は丁度安くなったタイミングで最初の実勢価格が分かるという状況だったのです。
ただし、デビュー後の価格は高くなる傾向もあるため、その新品実勢価格の『初値』が高いのか安いのかを見極めるのは困難です。
それまでの常識であればデビュー直後の価格が最も高い傾向があるため、その時期に欲しいという方は「高くても良いから早く手に入れたい」という前提で買われている可能性があります。
しかし今回のパターンでは、そのような覚悟をして買ったとしても、実は「さらに値上がりする」という良い結果となったのです。
「デビュー直後の新品実勢価格より、2年近く経った時期の中古相場が高い」という現象は今までの常識では考えられない凄いことです。
けれどもその凄いことが、この“チョコレート文字盤+RGコンビ”というややマニアックなヨットマスターにも当てはまるのです。
2016年夏すぎは安い時期だったとはいえ、当然時計自体の実力がなければこのような現象は起こらない可能性もあります。
そういう意味では、ヨットマスター116621はデイトナ並みに底力のある時計だともいえるかもしれません。