シャネルのJ12といえば、2003年に登場したホワイトセラミックモデルのイメージが強い傾向があります。
J12はシャネル初の男性用商品という側面があるため、デビュー当初から注目されていた傾向がありますが、大ヒットとなったのはホワイトセラミックからだといえるでしょう。
ホワイトセラミックにはクオーツのレディースと自動巻の男性用がありますが、男性人気も高く自動巻モデルはきちんと男性用として認識されていました。
2000年代におけるJ12ホワイトセラミックの男性用は、ロレックスのオーソドックスなモデルより少し高いというキャラクター。新品実勢価格が50万円台程度という印象があります。
しかし、J12には超高級品が存在。
例えば、このH3155というモデルは定価が700万円台、2015年の新品実勢価格が450万円もする超高級モデルです。ちなみにデビューは2013年だと思われます。
「J12」というモデルに対して超高級品という印象は強くありませんが、意外と高級なラインナップも存在します。
このH3155というモデルは、豪華なバケットダイヤが目立つモデルですが、独特な色合いのセラミックは「チタンセラミック」で、裏蓋部分はホワイトゴールドとするなど細部に粋な高級要素を入れたモデル。竜頭部分のダイヤもさりげない高級感を演出しており、特別な印象を与えます。
しっかりとした高級感と独特の世界観。
「単に高い」というだけでなく、高級品らしさを備えるこのモデルですが、残念ながら新品実勢価格より安くなっている傾向です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2015年5月 の新品実勢価格(2社平均) |
2018年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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シャネル
J12 H3155 |
新品 | 2年 9ヶ月 |
¥4,500,000 | ¥2,850,000 | -1,650,000 | 63.33% |
今回筆者がこの時計を取り上げようと思ったのは、先日天ぷらを食べていたら、カウンター席の左に座っていたお金持ちそうな男性が、右腕にこれを付けていたからです。
一見すると高そうな時計のようには見えませんでしたが、その男性の雰囲気からして「意外と高い時計」なのではないか思ったのです。
先日、日刊SPAの記事でも書きましたが、上級アイテムは定番化する傾向があり、特に女性にそれが顕著だといえます。(バーキン、ルブタンの靴など)しかし、それを凌駕するリッチ層となると、一般的には理解不可能な選択をすることもあり、まさにその男性がそれに当たると感じました。
当初はシャネルだとも思わなかったのですが、文字盤が見えた時「かなり高そうなJ12」であると気づき、後に調べてみるとやはり高い時計であると確認できました。
このような特殊な文脈を持つモデルは、どうしても定価と新品実勢価格と中古相場とに差が生じる傾向があります。
このような時計こそ、売ることなど考えずに定価でポーンと買うという購買行動が最も合っているといえるかもしれません。