「ロレックス」や「高級腕時計」という言葉から思い浮かぶ時計こそ、このデイトジャスト16233というイメージがありますが、それは過去のことになりつつある様子です。
最近では、「ロレックスの人気モデルはスポーツ系」ということは多くの人に知られている様子ですが、かつてはスポーツロレックスを評価しているのは時計マニアなど一部の人に限るという傾向があったように思います。
2000年前後にロレックスブームが起こり、いくつかの新しい腕時計専門誌も登場。それらはコンビニでも流通しており、その登場以前よりも多くの人が高級腕時計という存在に興味を持ったのではないでしょうか。
そして、2000年代中盤において、この16233が116233へとモデルチェンジされた際、ロレックスという言葉から連想される腕時計は「デイトナ」などのスポーツモデルになっていたかと思います。
とはいえ、最もロレックスらしく、高級腕時計の代名詞的デザインであるデイトジャストの存在感がなくなったわけではありません。
確かに、中古市場ではコンビモデルである16233が30万円台後半であるため、評価されていないようにも思います。
現在、30万円台後半というと5桁時代のロレックスにおいてはボトム価格に近い水準。コンビの上級モデルであるデイトジャストが、最も廉価だったエアキング14000と10万円の価格差も無い状況です。
では、デイトジャスト16233が優秀でないのかというとそんなことはなく、2012年と比較して19万円の値上がりとなっています。
またそれだけでなく、デイトジャスト16233にはさらに「凄い」要素が存在します。
それは、取引されている数がとても多いという点です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年2月 の安値(ヤフオク) |
2018年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトジャスト シャンパン文字盤 16233 |
中古 | 6年 1ヶ月 |
¥198,000 | ¥388,000 | 190,000 | 195.96% |
デイトジャスト16233は、程度の良いモノのボトム価格が30万円台後半である一方で、もっと相場が高いモノも存在します。
そのような価格差が存在している理由は、前期と後期といった生産年の違いなのですが、特にダイヤ文字盤は後期と前期で価格が開いている傾向があります。
16233の場合、1980年代モデルと1990年代中盤頃に仕様変更されたモデルでは、文字盤デザインなど見た目の雰囲気が異なります。
同じモデルにおける前期後期という差では、基本的に年式が古いほうが人気が低い傾向があるため、16233でも近代的要素が少ない前期モデルは安めなのです。
このような事情があることから、デイトジャスト16233はロレックスの代名詞的存在であるにもかかわらず、相場の見極めが難しいのです。
また、5桁リファレンス時代のジュビリーブレスレットは伸びやすい傾向があるため、程度が悪いと判断される個体が多い傾向もあります。
そのため、価格を比較するためには同じ条件の個体をピックアップする必要があり、アンティークロレックスと同じような難しさがあるのです。
そして今回、程度が良い前期のシャンパン文字盤、という条件で比較した結果、2012年より19万円程度高くなっているということがわかりました。
2012年の19.8万円という価格はとても安くて驚きますが、仮に25万円程度だったとしても10万円以上値上がりしていることに違いはありません。
よって、デイトジャスト16233は、今現在でもしっかり強い腕時計であるのでうす。