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値上がり考察

【値上がり考察】パテックフィリップノーチラス5711/1A-010

2018年3月6日更新

パテックフィリップノーチラス5711/1A-010の2016年7月と2017年9月の相場を比較した場合、値上がりとなっています。今回はこの事例に基づく考察を行いたいと思います。

ノーチラス5711/1Aといえば、現在400万円以上は当たり前という相場ですが、意外にも2016年7月の時点では約300万円という価格で手に入る時計でした。

今思うと、2016年7月の約300万円という水準はとても安く「買っておけば良かった」という感想になるかと思います。

しかし、その2016年7月において約300万円という価格はノーチラス5711/1A-010にとって「安い」と感じる価格ではありませんでした。

なぜなら、ノーチラスの過去実績を考慮すると、約300万円という価格でも「高い」という評価になったからです。

(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年7月
の安値(楽天)
2017年9月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
5711/A-010
中古 1年
2ヶ月
¥3,068,000 ¥3,841,750 773,750 125.22%

ノーチラスが「人気の腕時計」というポジションになったのは、2005年前後という時期。

2005年以前において、ノーチラスの新品実勢価格は今では考えられない水準でしたし、さらにその前である2002年頃に至っては新品実勢価格が100万円以下という評価だったのです。

2005年時点におけるノーチラスの新品実勢価格は約130万円程度。それ以前において100万円以下だったことを考えると、その時点でも十分高いと感じられる価格だったのです。

そして2006年、新型となったノーチラスは「ジャンボ+青文字盤」という5711/1Aがデビュー。

その新品実勢価格は200万円近い水準となったため、「一気に高くなった」という印象であり、割高感を感じたかもしれません。

そしてその後2008年春頃までノーチラスは高い相場をキープしていたのですが、2008年のリーマンショックによって相場は下落。そしてその相場は2012年頃まで続いていました。

ちなみに5711/1Aは2011年において約138万円という中古価格で取引されています。

それが2013年のアベノミクス以降に値上がりし、2015年頃には5711/1Aの中古が約300万円という水準に達したのです。

2005年以前のノーチラス相場を見ると2006年の5711/1Aの新品実勢価格はとても高く感じるのに対し、2015年頃の中古相場はそこから100万円も高い水準となっていたのです。

つまり、2006年の高かった時期からリーマンショックによって下落、2015年には反発し2006年以上の水準に達していたというわけです。

ですから、約300万円という中古価格が2016年7月において、「これ以上伸びない」と感じるほど高い水準だったということが分かります。

しかし、2016年7月の約1年後に5711/1A-010は80万円以上も高くなっているのです。

つまり、約300万円という価格は、その相場だった当時は高く感じても、実は「買う」という選択肢が正解だった時期となるわけです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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