腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

良きパートナーという観点、パテックフィリップカラトラバ3919R

2018年3月23日更新
パテックフィリップのカラトラバについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2011年1月の安値(ヤフオク)と2018年3月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この7年2ヶ月での変動は¥200,000だった。

カラトラバ 3919Rについての考察(2018年3月)

近頃、パテックフィリップにおいて人気のある傾向なのは、ノーチラスコンプリケーションモデルなど強い個性があるモデルという印象です。

確かに、ノーチラスは他の時計には無い独特の個性を持っていますし、コンプリケーションモデルはパテックフィリップの真髄を味わえるモデルという印象です。

その一方で、シンプルなカラトラバに対して魅力が無いかというとそんなことはなく、ものすごくシンプルにパテックフィリップの良さを凝縮させたモデルという印象です。

派手さがないため、一見分かりにくい時計でありますが、美味しいお蕎麦さんのせいろであったり、高級料理店の一番安いコース料理というような例えが似合う時計だと感じます。一概には判断できませんが、「一番安いコース料理はその店の実力を示す」と言われることがあります。そして、カラトラバをそれに例えると、まさしく実力が大変高いという評価になるでしょう。

またカラトラバの良さは、シンプルであるために、毎日着用するパートナーとしての使い勝手が良いという点。

薄くて軽いカラトラバは時計を着けていることを意識させないようなつけ心地。それでいてシンプルなデザインのため、毎日着けても飽きないという良さがあるかと思います。

つまり、カラトラバはコレクションという観点より、パートナーとして優れた時計であるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2011年1月
の安値(ヤフオク)
2018年3月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
3919R
中古 7年
2ヶ月
¥798,000 ¥998,000 200,000 125.06%

手巻きのカラトラバは2011年と比較して20万円の値上がりとなっており、立派に値上がりしている時計です。

ただ、マニアックなパテックフィリップであるスカルプチャーですら、2017年と2018年の1年間で20万円以上の値上がりとなっています。このことを考慮すると、7年の期間で20万円という値上がりは、パテックフィリップとしてはかなり弱いといえるでしょう。

パテックフィリップは最近中古でも100万円台中盤ぐらいする印象がありますが、このカラトラバのように90年代頃までの手巻きモデルは100万円以下で買うことができます。

他のパテックフィリップと比較して大きな値上がりとなっていないという点や、パートナーとしてのキャラクター性を考慮するとカラトラバという存在は、選択の候補として考えても良い1本といえるのではないでしょうか。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。