近頃、パテックフィリップにおいて人気のある傾向なのは、ノーチラスやコンプリケーションモデルなど強い個性があるモデルという印象です。
確かに、ノーチラスは他の時計には無い独特の個性を持っていますし、コンプリケーションモデルはパテックフィリップの真髄を味わえるモデルという印象です。
その一方で、シンプルなカラトラバに対して魅力が無いかというとそんなことはなく、ものすごくシンプルにパテックフィリップの良さを凝縮させたモデルという印象です。
派手さがないため、一見分かりにくい時計でありますが、美味しいお蕎麦さんのせいろであったり、高級料理店の一番安いコース料理というような例えが似合う時計だと感じます。一概には判断できませんが、「一番安いコース料理はその店の実力を示す」と言われることがあります。そして、カラトラバをそれに例えると、まさしく実力が大変高いという評価になるでしょう。
またカラトラバの良さは、シンプルであるために、毎日着用するパートナーとしての使い勝手が良いという点。
薄くて軽いカラトラバは時計を着けていることを意識させないようなつけ心地。それでいてシンプルなデザインのため、毎日着けても飽きないという良さがあるかと思います。
つまり、カラトラバはコレクションという観点より、パートナーとして優れた時計であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2011年1月 の安値(ヤフオク) |
2018年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
カラトラバ 3919R |
中古 | 7年 2ヶ月 |
¥798,000 | ¥998,000 | 200,000 | 125.06% |
手巻きのカラトラバは2011年と比較して20万円の値上がりとなっており、立派に値上がりしている時計です。
ただ、マニアックなパテックフィリップであるスカルプチャーですら、2017年と2018年の1年間で20万円以上の値上がりとなっています。このことを考慮すると、7年の期間で20万円という値上がりは、パテックフィリップとしてはかなり弱いといえるでしょう。
パテックフィリップは最近中古でも100万円台中盤ぐらいする印象がありますが、このカラトラバのように90年代頃までの手巻きモデルは100万円以下で買うことができます。
他のパテックフィリップと比較して大きな値上がりとなっていないという点や、パートナーとしてのキャラクター性を考慮するとカラトラバという存在は、選択の候補として考えても良い1本といえるのではないでしょうか。