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現在相場考察

出来高の低い、パテックカラトラバ3796

2016年3月24日更新
パテックフィリップのについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2010年1月頃の最安値(楽天)と2016年3月の最安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この6年2ヶ月での変動は¥118,000だった。

カラトラバ 3796Rについての考察(2016年3月)

かつてパテックフィリップといえばコレ!と言われていたのが3769。一部の腕時計マニアにとってパテックフィリップといえば「96であり、『いずれは96を買って最後の腕時計にしたい』という思いを聞くことがあります。そして、高級で時計ブームが起こった時、すなわちロレックス5桁リファレンスモデルが現行モデルだったころ、現行だった96シリーズがこの3796なのです。

パテックフィリップ(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2010年1月
頃の最安値(楽天)
2016年3月
の最安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
3796R
中古 6年
2ヶ月
¥780,000 ¥898,000 118,000 115.13%

パテックフィリップを買うならばまず3796という発想は昔、時計が好きになりすぎてしまった一部のマニアが言っていた思想です。

もしも、あなたが時計好きコミュニティの中で他人の意見を重要視していたならば、本質的には自分が欲しいと思っていない3796を買ってしまっていたかもしれません。

特にノーチラスアクアノートが世界的に高値になる2005年以前、3796こそがパテックフィリップの真髄という意見が多かったように思えます。

しかし、その頃ノーチラスアクアノートを買っておけば、今頃3796を買えるほどの利益が出ていたかもしれないのです。

この3769、2009年頃非常に値段が下がりました。

3923と並んで、いつでもどこでも60万円台で買えるパテックフィリップだったのです。

そんな3796、なぜか2010年頃から値上がりを開始。

2010年以降は60万円台でなかなか買えなくなりました。

しかし、それからそんなに急激な値上がりはしていない模様。

多くのパテックフィリップが100万円台の大幅な値上がりを見せる中、約10万円の値上がりにとどまっています。

また3796の場合、流動性が少なそうなので80万円台ですぐに買う人がいるかどうか微妙なところです。

ということで、2011年以降値上がりしてない疑惑の3796、今後も値段が変わらなさそう。

つまり、売り注文も買い注文もない株のような時計。

けれども、現在のパテックフィリップの相場を考慮すると、

かつて時計マニアから人気のあったモデルが80万円台で買えるというのは魅力的ともとれるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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