「ブルガリ」というブランドの裾野を広げるために、入門的なシリーズとして1997年にシリーズが展開された「ソロテンポ」。
1998年にも同じ価格帯の「アルミニウム」が登場しましたが、スポーツ系であるアルミニウムに対してソロテンポはフォーマル系のキャラクターを持っています。
アルミニウムは「サブ時計」として、いくつか時計を持っている方が2、3本目の時計として購入するといったことが想定できる一方、ソロテンポは初めての高級腕時計として1本目に買われるようなことが想定できるシリーズです。
ソロテンポはロレックスで例えるなら、一昔前のエアキングなどに相当するキャラクター性を持っていますが、K18バージョンがあるというのがソロテンポの面白さの一つだと思います。
かつてのエアキングがそうであるように、そのブランドの入門用といった役割を果たすスタンダードモデルの場合、金無垢モデルが存在しない傾向があります。
しかし、ブルガリはソロテンポという入門用シリーズに対してもイエローゴールドモデルを用意しているのです。
当時の廉価モデルのK18バージョンということで、ここ数年の相場は15万円前後という水準。金無垢の腕時計としてはかなり安い価格帯に位置しますが、実はソロテンポより上級の「ブルガリブルガリ」の自動巻K18モデルが、最近これに近い価格帯で購入可能でした。
通常、クオーツより自動巻のほうが中古相場は高い傾向ですが、上級モデルかつ自動巻のブルガリブルガリと価格がそこまで変わらないというのは、お得感が無いポイントともとれます。
ちなみにステンレスだとソロテンポが4万円台程度なのに対し、ブルガリブルガリは6万円台程度。(革ベルトモデルの比較)
よって、ステンレスだとソロテンポとブルガリブルガリは2万円の価格差となるわけですが、それに対してYGは価格差が少ないといえます。
このような事情を並べてしまうと、なんだかソロテンポのK18モデルはお買い得感が薄いという印象にもなってしまうかもしれません。
けれども、ソロテンポの金無垢モデルには独特のキャラクター性があり、他の時計にはなかなかない魅力があると感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年6月 の安値(楽天) |
2018年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ブルガリ
ソロテンポ ST35G |
中古 | 1年 10ヶ月 |
¥167,400 | ¥158,000 | -9,400 | 94.38% |
廉価モデルなのにYGバージョンが設定されているというキャラクターは、他に例を見ないほどレアといえます。
また、15万円前後という価格帯は、高級ブランドの金無垢モデルとしては底値状態とも取れる水準だと判断することもでき、そうであるならばソロテンポとブルガリブルガリの価格が大きく変わらないというのも仕方がありません。
15万円前後という価格帯で、独特な存在として気軽に買うなら、ソロテンポの金無垢モデルはかなり面白い選択肢となるのではないでしょうか。
マニアックなモデルであるため、今後どのような価格帯になるかは分かりませんが、特殊なキャラクターを楽しむという観点ではかなり価値ある1本だと思います。