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現在相場考察

紺文字盤はやっぱり高く評価、カルティエパシャC W31047M7

2018年4月10日更新
カルティエのパシャCW31047M7について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年4月の安値(楽天)と2018年4月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年0ヶ月での変動は¥24,280だった。

パシャC W31047M7についての考察(2018年4月)

パシャCは2000年前後の時期において、新品実勢価格が20万円台後半という水準でした。その頃、パシャCと同じ価格でどのような時計を買うことができたのかというと、ロレックスであればサブマリーナノンデイト14060)という選択が可能でした。

サブマリーナノンデイトは現在60万円台という価格帯になっており、2000年頃の新品価格の2倍ほど高い中古価格となっています。

その一方でパシャCは2018年において、相変わらず15万円以下で程度の良いモノを狙うことが可能。

ただこの価格帯となったのはこの数年のことで、それ以前はもっと高い水準だったのです。

パシャCはリーマンショック以前まで中古が20万円前後という水準で、10万円台後半でも「安い」と感じる存在でした。

それがリーマンショック以後は15万円程度という水準まで下落。その後、アベノミクスを経て多くの時計がリーマンショック以前の状態に価格回復しましたが、パシャCは価格回復するどころかさらに安くなった傾向があったのです。

そしてこの数年の間、パシャCは程度の良いモノが10万円台前半で買えるという状況が続いています。

ちなみに、これらの価格帯は3針モデルの水準であって、クロノグラフとなるともっと高い水準。2000年頃の新品実勢はサブマリーナデイト(16610)よりも高い水準でしたし、3針モデルが15万円以下という時代でも20万円を切るのが珍しかった時計です。

そんなパシャCの中において、2001年頃に登場した紺文字盤は、3針モデルの中で飛び抜けて評価されています。

他のパシャC10万円台前半という水準の中、紺文字盤だけは10万円台後半だったり、20万円以上ということもあるのです。

紺文字盤のパシャCが評価されはじめたのはここ数年という印象ですが、「なぜ評価されているのか」ということに対する明白な答えはありません。

この紺文字盤は2015年も2017年も他のパシャCより高い水準となっており、異なる価格帯となっているのです。

そして、その水準は2018年現在でも変わることなく、相変わらず他のパシャCより高い水準です。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年4月
の安値(楽天)
2018年4月
の安値(楽天)
変動額 残価率
カルティエ
パシャC
W31047M7
中古 1年
0ヶ月
¥155,000 ¥179,280 24,280 115.66%

ちなみにパシャCには、他にもこの紺文字盤に近い水準となっているモデルが存在します。

ただ、それらは2015年頃まで現行モデルとして販売されていた比較的新しいモデルで、定価が60万円台というモデルです。

紺文字盤のパシャCは2001年頃にデビューして、比較的早い段階で生産終了となりました。

ですから、2015年頃まで存在していたモデルとは年式が異なります。

よって、紺文字盤は評価されていることは確かですが、その評価を説明する明白な理由は存在せず、強いて言うなら「生産期間が短い」ということが挙げられます。

また、その他に説明できるのは「90年代パシャの流れを組む最後の世代」という点。

評価されている強い理由は存在しないものの、紐解いていくと評価ポイントは存在します。

そして、2018年でも紺文字盤は変わらず評価されており、やはり実力があるモデルなのだと感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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