カルティエのパシャにはいくつかのシリーズがありますが、男性用の大きなサイズは「高級なパシャ」という役割を担っています。
2000年前後の時期にその役割を担っていたのは「パシャ38mm」ですが、当時は比較的注目されているモデルでありそれなりに知名度がある存在だといえるでしょう。
パシャ38mmの有名ポイントとしては、グリッドモデルの存在、裏スケ仕様、ギョーシェ文字盤などが挙げられます。また、2002年頃発表されたプラチナベゼルの黒文字盤モデル「N950」などは当時人気の高かったように感じます。
そのように人気のあったパシャ38mmですが、2005年には後継モデルの「パシャ42mm」にその座を譲ります。
パシャ42mmは当時のカルティエの新型らしく、エレガントなクラシカルさをスッキリとしたモダンなデザインにまとめたという見た目です。
個性的だったパシャ38mmよりも、シンプルなパシャ42mm。好き嫌いが分かれることもなく万人受けしそうなところですが、パシャ42mmはパシャ38mmより目立ったという印象がありません。それは、中古の数を見ても判断することができ、パシャ38mmより42mmのほうが少ない印象です。
パシャ42mmは、高級モデルなのですが、シンプルな見た目のため一見「高級モデル」とは分かりづらいのかもしれません。
パシャ38mmで存在したグリッドモデルの存在や裏スケ仕様という要素が廃止されていますし、ステンレスモデルについてはギョーシェ文字盤の採用もありません。
しかし、ムーブメントはジャガールクルトベースであるなど、中身はしっかりと凝っているパシャ42mm。シンプルであるゆえに、金無垢モデルでこそその高級感が発揮される存在だといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2013年8月 の安値(ヤフオク) |
2018年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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カルティエ
パシャ42mm W3019351 |
中古 | 4年 8ヶ月 |
¥948,000 | ¥1,080,000 | 132,000 | 113.92% |
そして、パシャ42mmで興味深いのが金無垢モデルの変化です。
パシャ38mm時代はイエローゴールドが採用されていましたが、パシャ42mmではピンクゴールドとなっています。ピンクゴールドやローズゴールドの採用が増えてきた2000年代中盤の時代の変わり目がよく分かります。
また、パシャ38mmでは金無垢モデルが特に豪華になる印象で、12・3・6・9というインデックスがSSではプリントなのに対し、アプライド仕様となっていました。
それが、パシャ42mmではSSとの差が、文字盤中央部分のギョーシェ仕様に留まっているのです。
パシャ42mmの「シンプルな中に存在する豪華さ」という要素は、このピンクゴールド版でこそ良く表現されていると思います。
この時計、現在相場は過去と比較して値上がり傾向ですが、同じ時期に登場したパネライのピンクゴールドモデルより安い水準です。
ラジオミールのPGモデルであるPAM00231は現在、118万円という水準。231番はラジオミールベースのPG版であるため、機械はETAベースが採用されています。
それに対してパシャ42mmはJLCベースであり、キャラクター的にもより高級な存在です。
同じ時代のPGパネライと比較すると、高級要素があるのにパシャ42mmのほうが安いというのは、お得要素があるといえるかもしれません。