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値上がり考察

【値上がり事例】2002年と2007年の比較、ロレックスGMTマスター2 16710青赤

2018年4月17日更新

GMTマスター2といえば、現在とても人気のあるモデルです。

ここ数年高めな水準となっていましたが、2017年にはさらなる値上がり傾向となり、2016年まで50万円台で購入可能(黒ベゼル)だったのが、現在では80万円台(同じく黒ベゼル)となっています。

約1年という間に約28万円上昇したGMTマスター2は、まさに最近の人気ロレックスという印象。インスタグラムを見ていても、海外のコレクターがノーチラスとの2ショット写真をアップロードしている姿が目に付きます。

このように、今では世界中で人気のGMTマスター2という存在ですが、実はかつてはそこまで人気が高くなかったモデルであるのです。

特に日本では、ロレックスブームだった時代において、SSスポーツロレックスの中で下から2番目に安いという新品実勢価格でした。

ちなみに、その際最も安かったのはサブマリーナノンデイトですが、ノンクロノメーター仕様であったなど「他のモデルとは異なる」という印象。安いモデルというよりは玄人向けというキャラクター性があったように感じます。

そして、その頃最も人気だったモデルといえばエクスプローラーです。その頃エクスプローラーは、SSスポーツにおいてデイトナの次に高いという価格序列。14270の新品実勢価格は定価を上回るプレミア価格となってました。

その一方で、GMTマスター2は人気がなく、当時の雑誌でも「安く買えるスポーツモデル」という趣旨で紹介されていました。また、人気が高くない理由として、色付きベゼルが目立つということや「スポーツモデルかが曖昧」などと言われていました。

2002年におけるGMTマスター2の新品実勢価格(2社平均)は32万円台という水準ですが、これは青赤ベゼルの価格です。この頃、GMTマスター2は黒ベゼルが最も高く、青赤に対して1万円から2万円程度高い水準。青赤が人気な今となっては考えられない現象だといえます。

さて、そのように人気が無かったGMTマスター2がいつから高くなり始めたのかとそれは、2007年頃からだといえます。

2007年にGMTマスター2のSSモデルは6桁世代にモデルチェンジされ、黒ベゼルのみの展開となりました。

すると、それまで不人気だった「色付きベゼル」という存在に注目が集まっていったのです。

ロレックス GMTマスター2 16710¥1,486,100〜¥5,405,000(2024年11月21日現在)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2002年6月
の新品実勢価格(2社平均)
2007年8月
の新品実勢価格(2社平均)
変動額 残価率
ロレックス
GMTマスター2
青赤ベゼル
16710
新品 5年
2ヶ月
¥324,345 ¥459,950 135,605 141.81%

そして、2007年8月の時点では新品実勢価格がエクスプローラーと逆転し、SSモデルの中ではデイトナの次に高い(緑サブを除き)という位置になります。

2007年の印象としては、2002年より「かなり高くなった」という印象がありますが、現在の中古80万円台という水準からすると「安い」と感じてしまいます。

GMTマスター2は、2007年を境にしてそれまでの不人気モデルから、人気モデルへと一転。そして、それが現在まで続いており、年々高くなっているのだと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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