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現在相場考察

メテオライトの評価は更に高まった、ロレックスデイトナ116509

2018年4月22日更新
ロレックスのデイトナ116509について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年6月の安値(楽天)と2018年4月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この0年10ヶ月での変動は¥544,300だった。

デイトナ メテオライト文字盤 116509についての考察(2018年4月)

ホワイトゴールドといえば、かつて注目度の高い高級要素でした。特に人気が高かったのは2000年代で、その時期においてイエローゴールドモデルより価格帯が高いというのが当たり前でした。

ステンレスモデルは今も昔も人気がありますが、2000年代において「金色」という色への抵抗は今より強く、YGの人気は低い傾向がありました。ただ、「豪華なモデル」というモノに対しての憧れや一定の需要は存在。WGは“ステンレスと同じ色だけど金”というように、当時のトレンドに沿った高級要素だったのです。

しかし最近、ホワイトゴールドモデルはかつて人気が高かったということを感じさせないぐらい相対的に安値な傾向があります。例えば、2012年頃と比べて値上がりしていたとしても、値上がり額がYGと比べて低いということもあります。また、かつてYGより高かったWGモデルが、今ではYGより安いということも目立ちます。

では、かつて高く評価されていたWGが、なぜ最近相対的に高くない傾向となっているのでしょうか。

その理由として考えられるのは、ローズゴールドモデルの増加が考えられます。

2000年代中盤頃からローズゴールドを採用するモデルが増えた傾向がありますが、ローズゴールドはそれまで人気の無かったYGのように不人気ということにはならず、むしろ「金色」という要素へのネガティブイメージを払拭することに成功したように感じます。その結果、同じ「金色」であるYGもかつてのような不人気状態ではなくなったのだと推測できます。

また、2010年代からロレックスではデイトナにプラチナモデルを設定したため、特にデイトナにおけるWGモデルのキャラクターは弱まった印象になります。ただ、デイトナに限らずサブマリーナなどでもWGモデルがYGに対してかつて程高値でなくなっているため、プラチナモデルの有無に限らずWGは相対的に安いといえます。

ただ、デイトナにおいてプラチナモデルという存在は大きく、ローズゴールドとプラチナという2010年前後に登場した新作のダブルパンチによって、WGモデルが不人気傾向となっていることは否めないといえるでしょう。

さて、そんなWGのデイトナですが、唯一例外的に2017年頃から値上がり傾向なモデルがあります。

そのモデルこそメテオライト文字盤という存在です。メテオライト、すなわち隕石文字盤というレアアイテムを持つのはデイトナの中ではWGモデルだけ。

つまり、濃いキャラクター性を持つ唯一無二の存在だからこそ評価されており、その評価は2018年においても高くなっている傾向です。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年6月
の安値(楽天)
2018年4月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
デイトナ
メテオライト文字盤
116509
中古 0年
10ヶ月
¥3,039,600 ¥3,583,900 544,300 117.91%

メテオライト文字盤は2003年に登場し、デビュー当時から話題になったモデルです。

ただし、デビューした2003年はWGのデイトナには革ベルトモデルしか存在しなかったため、ブレスレットの116509が登場したのは2004年以降のこと。

WGブレスレットのデイトナという存在は、メテオライトに限らず多くのファンが待ち望んでいましたから、デビューした当時から「最高級デイトナ」として憧れられた存在でした。

その最高級デイトナの中でも、メテオライト文字盤のこのモデルは、最も豪華な印象であり、その影響によってかロレックスが全体的に安かった2012年でも220万円台をキープ。ただ、この時期はメテオライト文字盤でないWGモデルでも、これに近い価格帯だったため、「メテオライトが評価された」というよりは「WGの評価が高かった」といったほうが良いでしょう。

2012年頃において他のモデルより相対的に高値傾向だった116509のメテオライトですが、2016年11月の段階では250万円台という額に留まっており、2012年から2016年にかけて値上がりした額は約27万円でした。

2016年11月は一時的にロレックスが安くなった時期ですが、それは2015年などとの比較であり、2012年の水準まで値下がりしたという傾向はありません。

ですから、2016年の水準は2012年と比較して大きく値上がりしていないと評価できます。

これは通常文字盤のWGモデルと近い水準であるため、2012年と同様、「メテオライト」という点が特に評価されていなかったともいえます。

ただよく考えてみると、2012年の評価も2016年の評価も、メテオライト文字盤というレアアイテムが特別評価されていなかったというのは不思議な現象だと感じます。

そんなメテオライト文字盤ですが、生産終了が噂された2017年に値上がり傾向となり、6月の時点で2016年11月より51万円高くなったのです。

そして現在では、2017年6月と比較して約54万円高くなっている状況。

ですから、この116509のメテオライト文字盤は、1年数ヶ月という期間で100万円以上値上がり傾向となっているのです。

この値上がりは、この時計のキャラクターを考慮すると驚くに値しませんが、逆になぜ2016年まで大きく評価されていなかったのかというほうが興味深いと感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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