IWCの腕時計は、今も昔も、日本でも海外でも人気が高いという印象がありますが、その人気とは裏腹に中古価格が値動きしない傾向があります。
パイロットウォッチという存在は、IWCの人気モデルの一つですが、メカニカルフリーガークロノグラフIW370607の中古価格は、2009年と2017年の比較で3万円程度しか変化していません。
このIW370607というモデルは、2000年前後の第一次腕時計ブームの時期において現行モデルとして販売されており、一定の認知度がある腕時計かと思います。
ただ、IWCの時計はラインナップが多く、モデルチェンジのスパンも短いため、人気が分散する傾向があります。ですから、このメカニカルフリーガークロノグラフも、あまり値動きしない傾向があるのかもしれません。
このIW370607というモデルは、2001年における新品実勢価格が約29.6万円という水準でした。
ちなみにその頃、ロレックスの新品実勢価格はサブマリーナノンデイト14060Mが約30.4万円、サブマリーナデイト16610が約39.1万円、GMTマスター2の青赤に至っては約31.7万円という水準。オメガの3570.50は約17.6万円という新品実勢価格だったのです。
ですから、このメカニカルフリーガーIW370607はスポーツロレックスの下位価格モデルと同水準という存在であり、オメガより高価格帯に位置していました。
ロレックスの場合、この価格ではクロノグラフを狙えないですし、耐磁機能もありません。
ですから、オメガより高くロレックスよりやや安いというのがメカニカルフリーガーの立ち位置だったということになります。
そんなメカニカルフリーガーIW370607ですが、2017年6月の段階では約28万円という中古価格。
これは、先のように2009年の水準と3万円程度しか変わらない一方、2001年の新品実勢価格と同水準をキープしている優秀さを兼ね備えているといえます。
2010年前後と比べて中古が大きく値上がりしない一方、2000年頃の新品実勢価格から大きく値下がりしていないというのは他のIWCにも見られる傾向がありますが、最近このメカニカルフリーガークロノグラフに関しては、変化の兆しが現れている様子があります。
それは、現在30万円以下で購入できなくなっているという点。
つまり、2017年6月から約10ヶ月という期間で約3万8000円値上がりしているのです。
2009年から2017年までの約8年間で3万円だった値動きを約10ヶ月の間で上回ったというのは感慨深いともいえるかもしれません。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年6月 の安値(楽天) |
2018年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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IWC
メカニカルフリーガー クロノグラフ IW370607 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥280,800 | ¥319,680 | 38,880 | 113.85% |
この時計は値上がり傾向となっていますが、人気が高いモデルであるため、値動きするのは当たり前ともいえます。
むしろ、なぜこの時計はこれまで値動きしない傾向があったのか不思議という表現ができるかもしれません。
ちなみに、2017年の時点ではオメガスピードマスター3570.50と同水準でしたが、現在はスピードマスター3570.50よりIWCメカニカルフリーガークロノグラフのほうが高くなっています。