映画007といえば、ジェームズボンドの愛用するアストンマーチンが有名ですが、腕時計も重要なアイテムの1つだと思います。
ショーンコネリーの時代、007の腕時計はロレックスのサブマリーナが採用されていましたが、ピアーズブロスナンの時代から、その役割はオメガシーマスターが担っています。
特に1999年に公開された「ワールド・イズ・ノット・イナフ」の際は、オメガが積極的にPRし、日本では腕時計ブームが起こっていたという点もあり、「007=シーマスター300m」という印象が強くなったように感じます。
シーマスターといえば、007限定モデルが多数存在する印象がありますが、かつて007限定モデルはありませんでした。
おそらく初の007限定モデルだったのは、2002年に登場した2357.80。
これは、当時のシーマスター300mの文字盤と裏蓋を007仕様としたものです。
「007モデル」「10007本限定」ということもあり、デビュー当初から話題となったこの限定シーマスターは、通常の300mに対して、いつの時代も高めな相場となっています。
例えば、シーマスター300mが10万円を切るぐらいの価格帯だった2013年2月時点でも、この007限定モデル2537.80は20万円近い水準。パッとみた印象では、通常の300mと大きく見た目が変わらないのに相場が高いという点は、割高とも感じます。
しかし、2537.80は2018年現在30万円近い水準となっており、実は割高ではなかったということになるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2013年2月 の安値(ヤフオク) |
2018年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オメガ
シーマスター 007 2537.80 |
中古 | 5年 3ヶ月 |
¥198,000 | ¥297,000 | 99,000 | 150.00% |
ちなみにこの時計、2015年においては30万円以上という水準でした。
2016年においてロレックスを中心として多くの腕時計が値下がりしたという現象がありますが、その際にこの2537.80も25万円程度まで下落。
今ではそこから反発気味となっていますが、まだ2015年水準には達していない模様です。
90年代のシーマスター300mといえば、当時における新品実勢価格が15万円以下だったという点や、2010年前後といった安めの時期における中古相場が10万円以下という点から、2018年においても30万円近いという印象はありません。
実際、当時の300mの通常モデルである2531.80は、近年上昇気味ですが、それでも程度の良いものが10万円台後半という水準です。
ですから、高くなったといってもやはり90年代のシーマスター300mに対しては10万円台という印象があります。
それに対して、007限定モデルは現在30万円近い水準ですし、2013年でも20万円近い水準であるのです。
同じシーマスター300mでも007限定モデルはとても人気があり、いつの時代も相対的に高いというのが立ち位置となっていることが分かります。