元祖雲上スポーツモデルのロイヤルオークは、パテックフィリップやヴァシュロンコンスタンタンと比べてラインナップの数が多い傾向があります。
また、古くからバリエーションも豊富な傾向があり、1980年代には永久カレンダー搭載モデルも存在しました。ノーチラスは現行モデルにおいて、様々なコンプリケーションモデルがありますが、初のコンプリケーションは2005年の登場です。
そして、ロイヤルオークにはオフショアシリーズも存在し、それら全てを合わせるととても数えきれないほど数々のモデルが存在することになります。
ラインナップが多いというのは3針モデルだけに限ってもいえることであり、どれがどのようなキャラクターなのかを把握しづらいということになりかねません。
そのため、ロイヤルオークは「元祖雲上スポーツ」という存在かつ人気の高い腕時計でありながら、モデルによっては価格変動がしづらいという傾向もあるのです。
そんなロイヤルオークですが、最近15000STにおいて値動きがありました。
この15000STというのは、日本では第一次腕時計ブームだった2000年前後に現行モデルとして存在した世代の時計で、パテックフィリップノーチラスでは3800/1Aに相当する存在です。
ちなみに、2002年頃における3800/1Aの新品実勢価格は90万円前後といった水準でしたが、ロイヤルオーク15000STは約55万円。
同じ雲上スポーツでも、ノーチラスより安い価格で手に入ったという傾向がありますが、ライバルという印象だっように感じます。
2000年代前半という時期における三雲スポーツの存在感は今とは比べ物にならないほど薄く、ノーチラスの新品が90万円で売られていも誰も見向きもしませんでした。
現在では、2000年代前半の様子が信じられないぐらい雲上スポーツの人気は、とても高い水準になっていると感じます。
そのため、かつて90万円程度だったノーチラスは、今や200万円以上という水準まで上昇。
しかし、その一方でロイヤルオークの15000STはここ1年以上、大きな動きが無かったのです。
15000STの白文字盤は、2007年の時点で中古が約54万円という水準でしたが、2016年10月の時点では約85万円。
2016年10月といえば、多くの腕時計が安くなった時代ですが、この約85万円という水準は、他の時計が値下がり傾向となる前の2016年6月より高いため、2016年の値下がり現象は15000STに関係ない模様とも判断できます。
実際、2017年においてこの15000STは85万円という水準から大きく変わっていません。
それが2018年の今になって、15000STの価格帯は変化した様子があります。
この個体は現在における15000ST白文字盤のボトム価格ですが、これ意外の個体はすでに100万円以上という水準になっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年10月 の安値(楽天) |
2018年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オーデマピゲ
ロイヤルオーク 15000ST.OO.0789ST.07 |
中古 | 1年 7ヶ月 |
¥848,000 | ¥983,000 | 135,000 | 115.92% |
ロイヤルオークの15000STは、キャラクター的にノーチラス3800/1Aのライバルとして存在する時計。
けれども、価格を見るとノーチラスのライバルとして成り立たないように感じます。
ノーチラスより安いというのは仕方がないですが、ノーチラスの値動きが激しい一方で、ほぼ値動きをしていなかったのは悲しい点だったといえるかもしれません。
それが今回しっかり値動きしたことにより、この15000STの実力を見せたという感想になります。
とはいえ、現在の価格帯では依然としてノーチラスの半値以下。
それは、ノーチラス3800/1Aより買いやすいということにもなるため、見方によってはかなり良い1本ともいえるでしょう。