1996年にデビューした第一世代のオーバーシーズには、様々な種類の文字盤が存在し、黒、白、青、グレー、ピンクなどが存在します。
そして、黒文字盤にもバーとアラビアの2種類が存在し、多彩なラインナップがあるという印象になります。
ただ、それだけ文字盤の種類があるということは、「人気」と「不人気」が存在するということにもなり、実際「不人気」といえる存在があったように感じます。
ただ、そういった文字盤の人気不人気は、ここ数年は収まっているようにも見えます。かつて比較的人気の高かった文字盤とそうではない文字盤は最近大きな価格差がないも印象があり、実際現時点では約69万円という同じ価格で、青、ピンク、黒(アラビア)の自動巻モデルが売られています。
かつて人気があった文字盤といえば、黒(バー)、白、青などで、不人気だったのがピンクや黒(アラビア)という存在。
ですから、青文字盤とピンク文字盤などが同じ価格というのは、かつてほど文字盤による価格差が無いといえるでしょう。
そんな第一世代のオーバーシーズですが、興味深いのはアラビア数字仕様の黒文字盤という存在がかつてより評価されているという点。
オーバーシーズはヴァシュロンコンスタンタンという雲上ブランドのスポーツウォッチであり、パテックフィリップのアクアノートのライバルといった存在です。
しかし、そういったキャラクターでありながら、2008年のリーマンショック時には中古相場がとても安くなっており、自動巻モデルでも30万円台で購入可能だったのです。
そして、そういった価格で目にする傾向が高かったのが、アラビア数字の黒文字盤という存在だったように思います。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2008年12月 の安値(ヤフオク) |
2018年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ヴァシュロンコンスタンタン
オーバーシーズ 42052/423A-8894 |
中古 | 9年 5ヶ月 |
¥398,000 | ¥698,000 | 300,000 | 175.38% |
オーバーシーズの自動巻は現在60万円以上という水準となっており、かつて30万円台で売られていたのが「びっくり」という印象があります。
ただし、オーバーシーズが上昇したのは2017年頃からであり、2016年まではミディアムサイズなら自動巻でも40万円台後半で購入可能でした。
ミディアムサイズの自動巻が高くなっていった様子は以前にもお伝えしましたが、その時点より現在はさらに高くなったという印象があります。
そして、かつては“安い”という印象だったアラビア数字の黒文字盤も、現在ではきちんと評価されているのです。リーマンショック直後の2008年12月と比較すると、かなりの価格差を感じることができると思います。
ちなみに、同じ第一世代のオーバーシーズは、3針モデルの文字盤ラインナップと比較してクロノグラフの文字盤種類は少ない傾向がありますが、このアラビア数字の黒文字盤は、クロノグラフにも採用されています。
ですからこのアラビア数字版黒文字盤は、実はヴァシュロンコンスタンタンとしては推しているデザインなのかもしれません。
それは、「CHRONOMETER AUTOMATIC」という文字盤上のフォントを見ても感じることができ、アラビア数字の黒文字盤だけが明朝体となっています。