2000年に登場したスピードマスターのムーンフェイズモデルといえば、ブロードアロー針に白文字盤という印象がありますが、銀文字盤も存在します。
白文字盤の場合、ブロードアロー針はブルースチール仕様となっているのですが、銀文字盤の場合は銀色のブロードアロー針が装着。白文字盤のムーンフェイズはスピードマスターブロードアローと似ている印象がありますが、銀文字盤だと別のモデルという感じがします。
これらブロードアロー針のムーンフェイズモデルは、2000年から2007年頃まで新品として存在していたのですが、銀文字盤は「ヨーロッパ限定」という存在でした。
ヨーロッパ限定モデルのため、平行品のみの販売だと思われますが、当時の新品実勢価格は白文字盤と同じという傾向が多かったように思います。
筆者の著書にもこの時計が登場するのですが、友人が大学入学の際に記念品として新品でこれを24万8000円(税別)で購入し、その後中古価格が高くなり感謝されたことがあります。
ただ、この時計は高くなったといっても、近年までの水準では30万円台とという価格帯に位置していました。
それがここ最近、この3575.30は50万円台という水準まで上昇しており、かつてでは考えられないほど高くなっているのです。
なお、この時計の数は現在1本であるため、これを相場と判断するには難しい点もあります。けれども、前にこの時計が出た際に既に50万円台となっており、その個体は売れてしまっています。また、その際の販売店は今回の個体とは別の店舗です。
よって、この3575.30は50万円台と判断することができ、1年という期間で19万円程度高くなったといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年6月 の安値(楽天) |
2018年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オメガ
スピードマスター 3575.30 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥367,200 | ¥558,000 | 190,800 | 151.96% |
ヨーロッパ限定の銀文字盤モデルであるこの3575.30は、昨年まで白文字盤と特に違いがない水準でしたが、近頃は銀文字盤がとても評価されている様子です。
ムーンフェイズは2007年頃に生産終了となった際、中古が以前の新品実勢価格を上回る水準となったものの、リーマンショック後に安くなり2012年頃にはこのヨーロッパ限定モデルでも20万円程度だったということもありました。
それが、2013年以降は高くなり、2017年においてムーンフェイズは30万台半ばという価格帯まで上昇したのです。
そんなムーンフェイズでもヨーロッパ限定の銀文字盤はここ1年で特に変化の兆しがあり、2017年の時点でも売られている個数が減っているという現象を確認することができました。
それは、1年前の記事にも書いたとおりなのですが、約1年という期間を経た今、その希少性が価格に反映された印象だといえます。