カルティエとブルガリの腕時計は、2000年前後における腕時計ブームの時期に“よく比較される対象”だった印象がありました。
当時の新品実勢価格が似ているシリーズもあり、例えばブルガリスポーツとカルティエパシャCはどちらも28万円前後といった価格帯だったと思います。
そんな当時のカルティエとブルガリは、ラインナップも似ているという印象があり、特にカジュアルスポーツモデルが存在したという点が他のブランドとは異なるといえます。
そのカジュアルスポーツという存在こそ、ブルガリアルミニウムとカルティエスカフシリーズという2点。どちらもラバー素材を用いたシリーズです。
カルティエのスカフシリーズは2000年にデビューしましたが、その際、自動巻3針の「オートスカフ」とクォーツクロノグラフの「クロノスカフ」が同時にデビュー。
ブルガリアルミニウムは、98年に3種類の3針モデルがデビューした後、99年にクロノグラフモデルが追加。
アルミニウムの場合、3針とクロノグラフが別扱いという印象もあり、それは中古相場を見ても感じることができます。
その一方、カルティエのクロノスカフとオートスカフは、「どちらにしようか」と迷われるような、同じ扱いを受けるという感覚があります。
その理由は、カルティエのクロノグラフがクォーツであるのに対して、アルミニウムのクロノグラフが自動巻であるという点や、デビューした時期がカルティエの場合同時だったということもあるでしょう。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年3月 の安値(楽天) |
2018年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
ヴァンテアン クロノスカフ W10125U2 |
中古 | 1年 3ヶ月 |
¥89,800 | ¥96,000 | 6,200 | 106.90% |
かつての中古相場はどうかというと、例えば2000年代後半の場合、ブルガリアルミニウムの3針自動巻モデルは5万円前後という価格帯で程度の良いモノが手に入りましたが、クロノグラフはその価格帯よりも高い水準でした。
そしてその時期において、カルティエのスカフシリーズは、3針自動巻のオートスカフも、クロノグラフのクロノスカフもブルガリアルミニウムクロノグラフより高い価格帯に位置していたのです。
実際、クロノスカフはリーマンショック後の2008年11月という時期においても18万9000円という水準。ちなみに当時はロレックスなどが全体的に安くなっている時期で、エクスプローラー14270も22万円程度でした。
ですから、クロノスカフという存在は、当時の他の腕時計の価格を考慮すると、なかなか評価されていた価格帯に位置していた事がわかります。
しかしそんなクロノスカフは2017年3月の時点で約9万円という水準まで下落。
クロノスカフはラバーベルトを採用しているため、程度の悪い個体が存在しますが、2017年3月における約9万円の個体の程度は良好でした。
ちなみに、2017年12月におけるブルガリアルミニウムのクロノグラフモデルは、約12万円という水準。エクスプローラー14270にいたっては40万円以上という価格帯です。
ですから、かつてリーマンショック後に下落しなかったクロノスカフという存在は、かつての強さが感じられないほど値下がりしているのです。
そんなクロノスカフという存在は、2018年現在でもほぼ価格帯が変わることなく、相変わらず程度の良いモノが9万円台という様子。
リーマンショック直後にエクスプローラー14270と3万円程度しか変わらなかった時計は、今となってはずいぶんの価格差がある状況。それは2017年から起きていますが、2018年に至っても変化の兆しがないのです。