GMTマスターシリーズといえば、1950年代に登場したときから「青赤ベゼル」が採用されており、それがアイコン的な要素となっていました。
けれども2007年にステンレスモデルが6桁世代にモデルチェンジした際、セラミックベゼルが採用されたため、ベゼルは黒一色となったのです。
すると、それまで人気の無かった「青赤」は中古市場で評価され、逆に人気があった「黒ベゼル」は青赤より人気の無い存在となりました。
そんなGMTマスター2に「青赤」が復活したのは2014年のこと。
その時までに「青赤」という存在は、レアな人気アイコンとして認識されていましたが、復活した際にホワイトゴールドモデル専用色となったため、その存在はより神々しいモノへ変化したようにも思います。
ただ、ホワイトゴールドモデルであるため新品実勢価格は高め。そのため、中古はあまり存在せず、その価格帯が「いくらなのか」ということを判断するのは難しい存在でもありました。
それが影響してか、モデル自体の人気も近年は収まっていた模様で、デパートなどに存在するロレックス正規店に足を運べば、たいていは新品が売られている様子を目にしました。ステンレススポーツの場合、正規店で見かけるのは困難な場合が多い傾向があり、同じGMTマスター2でも116710BLNRはほぼ見かけません。
また、近年ロレックスにおいてホワイトゴールドの評価が以前より低くなっている様子で、イエローゴールドとの価格差が以前よりもない様子です。
ですから、WGかつ青赤セラミックベゼルという116719BLROは、かなりレアポイントの高い組み合わせであるにもかかわらず、そこまで値動きが目立たないという印象だったのです。
しかし最近、そんな116719BLROに変化の兆しがあり、2017年1月における新品実勢価格より、現在の中古のほうが高いという状況となっているのです。
その理由こそ、今年2018年3月のバーゼルでGMTマスター2にいくつかの新作が発表されたという点だと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年1月 の新品価格(楽天) |
2018年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
GMTマスター2 116719BLRO |
新品 | 1年 5ヶ月 |
¥3,039,600 | ¥3,398,000 | 358,400 | 111.79% |
今年のバーゼルでは、ステンレスに青赤ベゼルが復活したという点が注目されましたが、2014年から存在するこのWG青赤にも、ひっそりとした変化があったのです。
それは、文字盤色が紺に変化したという点で、それまでの黒文字盤から、WG専用色の紺文字盤となったのです。
すると、中古市場では早い段階において旧モデルとなった黒文字盤の116719BLROに変化の兆しが見え、3月頃から数が減ったり価格上昇傾向が見られるようになったのです。
そして、2018年6月時点で中古のボトム価格が339万8000円となり、2017年1月の新品より約35万円の上昇となっているのです。
ただしこの116719BLROは、実は2015年時点の新品実勢価格(5社平均)が約340万円という水準だったため、今の中古相場では2015年5月より安いということになります。
とはいえ、2015年5月という時期は116919BLROが出て間もない時期といえるため、2017年より新品実勢価格が高い水準だったというのは自然です。
以上のことをまとめると、現在の中古相場は、デビュー当初の新品実勢価格より安いものの、落ち着いた時期における新品実勢価格よりは高くなっているという事になります。