4桁リファレンスのスポーツモデルは、90年代後半のロレックスブームの頃から「アンティーク」と呼ばれ、それぞれの時期における現行モデルより高い相場が基本となっています。
ちなみに、90年代後半において「アンティーク」と呼ばれていたエクスプローラー1016や手巻きデイトナは、生産終了から10年程度しか経過していない状態。今では5桁リファレンスのGMTマスター2などが生産終了から10年以上経過していますが「アンティーク」とは呼ばれていません。
そんな「アンティーク」と呼ばれる4桁リファレンスのスポーツモデルですが、価格序列が現行品と異なるという事情が存在します。
以前の記事でも紹介しましたが、例えばサブマリーナの場合、現行モデルや5桁世代では基本的にノンデイトよりデイトのほうが高い中古相場となっています。
新品定価でもその序列ですから、ノンデイトよりデイトが高いというのは自然なことだといえます。
けれども、4桁リファレンスとなるとサブマリーナデイト1680よりノンデイトの5513(フチなし)や5512のほうが高いのです。
ただ、1680には「赤サブ」という存在があり、以前から圧倒的に評価されているという状況は変わりません。
つまり、サブマリーナデイトが一番安く、その次にノンデイトが高く、赤サブが最も高いという相関になっているのです(同じ年式の比較において)。
そのため、シードゥエラーという存在も、5桁リファレンスや現行世代ではサブマリーナノンデイトより高いものの、「デイト」表示があるため、サブマリーナノンデイトより安いかもしれないと思ってしまいます。
ちなみに、シードゥエラーの4桁リファレンスにも「赤シード」という存在があるため、サブマリーナ同様「赤」でないほうは評価されないということになっていても不思議ではありません。
しかし、シードゥエラーの4桁リファレンスはサブマリーナノンデイトより安いということはありません。
むしろ、4桁リファレンスの中では以前から評価されているエクスプローラー2などと同価格帯に位置していおり、「評価が高い」と表現できる水準です。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年9月 の安値(ヤフオク) |
2018年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
シードゥエラー 日本ロレックスOH明細書 1665 |
中古 | 7年 9ヶ月 |
¥802,000 | ¥1,816,000 | 1,014,000 | 226.43% |
シードゥエラーはサブマリーナの防水性能を更に高めたモデルで、5桁世代から1220mという防水性能を誇ります。
ただ、4桁世代のシードゥエラーの防水性能は610mという水準で、5桁世代の半分程度しかありませんでした。
アンティーク世代の特殊性能モデルというシードゥエラーは、レアなキャラクターと感じる要素があるといえます。
この「クラシカルな高性能」という要素が、4桁世代のアンティーク感と相まって、1665という存在は評価されているのだと思います。
2010年9月時点でも80万円台という水準で、当時の他のモデルと比較すると相対的に高いと判断できます。
ちなみに2010年当時、デイトナ16520黒文字盤は約88万円、エクスプローラー2の1655はOH証明書付きなど個体差における評価が難しいものの、おおよそ100万円程度という価格帯に位置していました。
そして、現在デイトナ16520黒文字盤は210万円前後、エクスプローラー2の1655(OH証明書付き)は約178万円というボトム価格となっています。
現在におけるシードゥエラー1665は、2010年頃と比較すると16520との相関はほぼ同様で、1655より評価されているという感覚になります。
エクスプローラー2の1655は1999年の時点において中古が80万円台だったため、以前から「かなり高いモデル」というイメージがあるモデルです。
シードゥエラーの1665がエクスプローラー2の1655より高く評価されているというのは、シードゥエラー1665の評価が高いのか、エクスプローラー2の1655が以前ほど評価されていないと判断するか、興味深い点だと思います。