パテックフィリップノーチラスは、現代における「腕時計の王様」という称号にふさわしい大人気のモデルという存在だといえるでしょう。
特に高くなったのは2017年で、数ヶ月ごとのタイミングで数十万円ほど高くなるということを繰り返していました。
その勢いは2018年になってもとどまることがなく、現行モデルの5711/1A-010は1年前に300万円台後半だったのが、最近では500万円台後半となっています。
特に人気が高いのは青文字盤という印象ですが、2018年からは現行世代の白文字盤も上昇。
さらに、3800/1Aの中で安価に位置している黒文字盤も高くなっており、2017年6月と2018年6月とでは約40万円ほどの価格差がある状況です。
このように、ロレックスデイトナを凌ぐほどの価格上昇をしているノーチラスは、安い個体を買おうと思っても、人気のある自動巻モデルの場合、最も安い3800/1A世代を選んでも300万円近いという状況であるのです。
しかし、そんなノーチラスには自動巻でも約1年前と比較して、大きく価格が変わっていないモデルが存在。
それが、コンビ仕様である3800/1JAです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年7月 の安値(楽天) |
2018年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ノーチラス 金文字盤 3800/1JA |
中古 | 0年 11ヶ月 |
¥1,863,500 | ¥1,917,000 | 53,500 | 102.87% |
ステンレスの評価と比べて極端にコンビが評価されていないという状況はデイトナにもかつてあり、ステンレスの16520が200万円以上という状況でも、コンビの16523が100万円前後ということが2017年にはありました。
その際、ステンレスが数ヶ月に一度というタイミングで上昇する一方、コンビはステンレスが上昇する“以前のまま”という状態にとどまっていたのです。
しかし、そんなデイトナ16523は2017年12月頃から徐々に値動きを開始し、今では110万円台後半となっています。
このノーチラス3800/1JAの状況も、かつてのデイトナ16523と似たように見えます。
ただ、ノーチラスの場合、デイトナの16523が評価され始めたよりも長く価格変化していないという点が気になります。
デイトナの場合、16520の値動きが激しくなった約1年後に16523が目立って値動きしていますが、ノーチラスの場合はステンレスが上昇して1年以上経っているにもかかわらず、コンビの値動きが目立っていない状況です。
ちなみに、3800/1JAにはいくつかの文字盤色が存在し、生産年が長いため、生産年における仕様違いでやや価格が異なるという事情があります。
そして、2017年7月の個体とこの記事の個体は、
であり、条件が同様となっています。
つまり、同じ条件で比較しても3800/1JAは約1年という期間で約186万円が約191万円になったという差にとどまっているのです。
さらに、B評価ではありますが170万円台の個体もあるという状況。
ですから、2017年と2018年では3800/1Aの黒文字盤が40万円、5711/1A-010が200万円程度相場が上昇し「腕時計の王様」というほど勢いのあるノーチラスでも、コンビモデルは2017年とほぼ同水準で購入可能であり、ノーチラス以前から「腕時計の王様」としておなじみのデイトナ16520より安く買える存在であるのです。