「小窓」タイプの年次カレンダーという存在は、2003年にWEMPE限定モデルとして5125がデビューしましたが、レギュラーモデルのデビューは2006年になってからのことです。
5125のデザインは、3448など往年の永久カレンダーのデザインを彷彿とさせるもので人気が高かったのですが、2006年にデビューした5396は1930年代頃のカラトラバを彷彿とさせるデザインが採用。
そのデザインはカラトラバのラインナップにも用いられたのですが、複数のデザインが用意されていたカラトラバとは異なり、年次カレンダーの「小窓」モデルに用意された文字盤はそれ唯一でした。
そんな5396に新たな文字盤が追加されたのは2010年のことなのですが、その際登場したのがWEMPEモデルを豊富とさせるデザインの5396-011。
それ以降、5396において-001より-011のほうが高いという傾向があります。
-001の文字盤デザインは個性的であるため、好き嫌いがはっきりすると感じますが、このような濃いキャラクターは、デビューから時間が経つと評価されることもあります。
しかし、5396R-001に関しては、最近安い個体が出現している状況なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年12月 の安値(楽天) |
2018年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
年次カレンダー 5396R-001 |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥3,832,000 | ¥3,680,000 | -152,000 | 96.03% |
この記事の個体は特に問題があるわけでなく、国内正規品でもあります。
多くのパテックフィリップが高くなっている2018年の今において、この年次カレンダーは以前よりも安く買えるという存在であるのです。
なお、パテックフィリップはこれまで2014年が高く、2017年の段階でも2014年と比較すると値下がり傾向というモデルがいくつか存在していました。
例えば、アクアノートの5167/1Aはそれに該当するのですが、2018年の今では2014年の段階より高くなっています。
それにもかかわらず、この5396R-001は2017年の水準より安く購入できるのです。
さらに2017年の段階でも5396R-001は2014年より14.8万円ほど安いという状況でした。
それが、今回さらに15万円ほど安く購入可能であるため、5396R-001は評価されていないという印象になります。
ただし、この記事の個体以外については380万円以上であるため、2017年12月の水準とほぼ変わっていない状況です。
ただ、それを基準としても相変わらず2014年より15万円程度安いため、やはり5396R-001は評価されていないという印象にもなります。
とはいえ、「かつての不人気が人気モデルとなる」といった例もあり、さらにこの5396R-001は独特なデザインであるため、要注意な要素も存在。
ですから、今の状況は今後どのようなこととなるのか、なかなか興味深いとも感じます。