モナコは、現在タグホイヤーにおいて上級かつ時計マニア向けというキャラクター性を感じるシリーズだと思います。
近代的なモナコのシリーズは、元々カレラとともに、90年代後半において復刻版として登場しましたが、その後カレラがメジャーなモデルとなった一方で、モナコは現在でも90年代と同様のキャラクターを保っているようにも感じます。
そんなモナコの復活第一号は、5000本限定の復刻モデルとして1998年にデビュー。
カレラが1964年のモデルを忠実に再現した一方、モナコはクラシカルさを保ちながらも、スティーブマックイーンモデルのような青文字盤の採用はされませんでした。
ただ、そのデザインは忠実な復刻でないものの、シンプルでクラシカルで魅力的。当時は5000本限定ということもあり、カレラより高い中古相場となっていました。
1996年にカレラがデビューした際、カレラもモナコと同様に限定モデルだったのですが、その後「限定」が解除。
モナコも同じく「限定」ではなくなったのですが、カレラとは異なり、通常版となった際、3つ目のタイプへとモデルチェンジしたのです。
ですから、復刻版として1998年に登場したCS2111は5000本しか無いということになります。
そのため、希少価値が高く高値になっていても不思議でないと感じたのですが、実は最近までそこまで高値でなかったのです。
この時計のキャラクターやかつての様子を考慮すると、CS2111が10万円台というのはかなり安いという印象になりますが、その価格でも「すぐに売れる」ということはありませんでした。
それが意味するのは、モナコのラインナップが2002年以降において増えたため、復刻初代モデルであるCS2111のキャラクターが目立たなくなり、半ば忘れられた存在だったのではないでしょうか。
しかし、そんなCS2111は2018年の今、なんと9万円以上の値上がりとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年9月 の安値(楽天) |
2018年7月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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タグホイヤー
モナコ CS2111 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥194,400 | ¥289,440 | 95,040 | 148.89% |
90年代において、Classicsというシリーズで登場したのはカレラとモナコですが、最近までどちらも特に評価されていない状況でした。
これらシリーズは、時計マニア向け目線で作られているため、なかなか濃いキャラクター性があると思ったのですが、その割には評価されていなかったのです。
しかし、カレラについては一足先に海外で高くなり、そして2018年の春頃には日本でも、かつてより「かなり高い」という水準に達しています。
その一方で、モナコには目立った動きがなかったのですが、現在このCS2111のボトム価格が20万円台後半という水準に達している状況となっています。
このモナコは約10ヶ月という期間で9万円以上の値動きをしたのですが、このような振り幅はCS2111にとっては「初」というぐらい珍しいと感じます。
もちろん、この時代のClassicsモナコとカレラは、このぐらいの水準になっても何ら不思議でないキャラクター要素を持っていると思いますが、これまでこのような値動きをすることはありませんでした。
ですから、現在のモナコとカレラの様子は、やっと評価されたという感想になります。