モナコが復刻モデルとしてデビューしたのは1998年のことですが、その際登場したCS2110は5000本の限定モデルでした。
そして、2000年に「限定数」が解除されたモデルとしてデビューしたのがCS2111という存在です。
限定モデルだったCS2110が2つ目のクロノグラフだったのに対し、CS2111は三つ目仕様。
インダイヤルのデザインがシンプルかつ特徴的だったCS2110と異なり、CS2111はオーソドックスなデザインのインダイヤルとなっています。
このCS2111は、その後メジャーな存在としてラインナップされたモナコと大きく違わないという印象もあり、それほど注目される存在でないようにも感じます。
ただ、このCS2111が現行だった2000年頃においてこの時計は、珍しいという印象がありました。
その理由こそ、当時のタグホイヤーが今と異なり、ブレスレットモデルを基本とした防水腕時計をメインとしていた点。
それらラインナップの中で、革ベルトのモナコとカレラは明らかに違う存在に見えたのです。実際、「Classics」というシリーズとして、カタログの最後に掲載されているというような存在でした。
当初は特別感があったモナコですが、タグホイヤーがLVMH体制となった後は、カレラとともにメインモデルというキャラクター性を帯びてきました。
そのため、Classics時代に「ホイヤー」だったロゴも、「タグホイヤー」ロゴへと変更され、マニアックだったClassics時代からは一点して、マス向けとなったのです。
カレラについては、2002年から大きくキャラクターが変わったため、Classics時代のカレラは「違うモデル」という差が感じやすく、ここ1年ほどの間で評価されてきた傾向があります。
その一方で、モナコについてはメインキャラクターとなっても、Classics時代と大きく変わるということはありませんでした。
とはいっても、Classics時代のモナコにもよく見ると面白い点があり、実はカレラ並の濃い要素があるといえます。
そして、そのことが最近気づかれているのか、Classics時代のモナコにも価格変動の兆しがあります。
先日の記事でお伝えしたとおり、初代復刻モデルのCS2110は10万円近い値動きとなっています。
そして、そのCS2110の次モデルであるCS2111も値動きしており、約10ヶ月で3万円程度上昇しています。
そしてその結果、CS2111はこれまでの10万円台という水準から、20万円台という価格帯になったのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年9月 の安値(楽天) |
2018年7月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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タグホイヤー
モナコ CS2111 |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥194,400 | ¥228,000 | 33,600 | 117.28% |
CS2111は、2015年において15万円台という水準。
カレラも2年ほど前まで10万円台が当たり前という印象でしたが、モナコも同様に10万円台だったのです。
2017年において、2015年より高くなっていますが、それでも10万円台の範疇に収まっていました。
それが2018年の値動きは、2017年対2015年と同様の水準であるものの、20万円台になったというインパクトがあります。